「もうねんね」の情報
「もうねんね」
文:松谷みよ子
絵:瀬川康男
出版社:童心社
発行日:1968年1月15日
おすすめ年齢:0歳から
サイズ:H21×W18.6㎝
ページ数:20ページ
シリーズ:松谷みよ子 あかちゃんの本
SLA選定図書
「もうねんね」はこんな子におすすめ
・寝かしつけの時間の読み聞かせに。一番最初に選ぶ寝かしつけ絵本としてもおすすめです。
・動物が沢山出てくる絵本を喜ぶ子に
「もうねんね」の簡単なあらすじ
犬が、眠そうにあくびをしています。
「おやすみなさい」 「いぬも ねんね」
気持ちよさそうに眠ります。
他にも次々と眠りについていきますよ。
「もうねんね」のレビュー
一番最初の寝かしつけ絵本に「もうねんね」
おやすみなさいのその前に、絵本を読むことを習慣づけたい人、多いのではないでしょうか。
寝かしつけの時間に読む絵本は、どんなものでも構いません。でも、せっかくこれから眠りにつくのですから、穏やかな「眠り」をテーマにした絵本を選んであげてはいかがですか?
今回ご紹介する絵本は、「松谷みよ子 あかちゃんの本」シリーズの、「もうねんね」という絵本です。
穏やかに眠る犬の表紙が目印!表紙から感じるように、絵本全体が穏やかな空気に包まれています。 一番最初に選ぶ、寝かしつけ絵本としておすすめの絵本です♪
「もうねんね」には赤ちゃんが喜ぶことばのマジックが!
「もうねんね」は、赤ちゃん向けの絵本です。赤ちゃんに向けた赤ちゃんのためのことばが沢山詰まっています。
使用されていることばは、どこを切り取ってもとっても柔らか。とげとげしいことばは全く使用されていません。
「おやすみなさい」は、赤ちゃんでもよく知っていることば。知っていることばが出てくると、絵本に興味を持つきっかけになります。
そして、「おめめが ねむたいよう」など、ひとつひとつのことばが、“子どもの感じる眠気”をリアルに表現しています。
「もうねんね」ということばは、聞くと本当に眠たくなってくるような、不思議な力がありますね。
また、動物たちの鳴き声があるのも、ちょっと嬉しいポイント。
こういったオノマトペ(擬声語等)は、子どもが耳できいて心地よいことばです。
・オノマトペや、子どもたちのリアルな眠気を表現したことばで心地よい気持ちに♪
「もうねんね」の眠りを誘う絵の秘密
「もうねんね」は、動物たちが伸びあがってあくびをしているのがかわいい絵本です。
私の個人的な好みですが、並んだひよこたちが羽を精一杯ひろげ、大きく口を開けてあくびをしている表情が特におすすめ!
眠そうにしている動物たちの顔を正面から見ることで、赤ちゃんも穏やかな気持ちになることができます。
眠たい表情の動物たちはみんな目を開けていません。赤ちゃんも動物たちと一緒に、眠たくなってくるかもしれませんね。
動物たちがどんな姿で眠るのか、本物と同じ動物の寝姿が優しい風合いの絵で描かれています。
・本物と同じ動物の寝姿が描かれている。
黄色に秘められた力!心地よい睡眠へ
「もうねんね」で使用されている色は、はっきりと濃い!というわけではないけれど、薄くてぼんやりとして見づらい、ということもない丁度良い色彩が選ばれています。
強すぎない色使いで赤ちゃんに見やすい、でも眠りに向かっていく穏やかな雰囲気を作る、という2つの面を両立させた色使いなのですね。
私がこの絵本を読んでいるときに気になったポイントがありました。表紙、そして中面のページ、絵本のどこを見ても、黄色が多く使用されているのです。
睡眠がテーマの絵本は、青が多用されることが多いイメージです。「もうねんね」は、どうして黄色なのでしょうか。
気になって調べてみると、「もうねんね」に使用されているような淡い黄色には、こんな効果があるようです。
- ホルモンの分泌を促進させて心地よい睡眠をサポートする作用がある
- 寝具に利用すると温かみのある雰囲気を演出してくれる
なるほど!睡眠の色って、青だけだと思っていたので驚きでした。色の心理効果って、知っていると面白いですね。絵本の分析のために、もっと勉強しようと思います。
思えば、私が子どもの頃は、真っ暗な部屋で眠るのが怖かったのでいつも豆電球をつけていました。豆電球の色は、ほとんどが黄色ですよね。温かい色彩が、部屋全体を包んでいつの間にか眠りにつきます。
子どもにとって、眠るときの色=黄色なのかもしれません。
「もうねんね」で穏やかな眠りを。
子どもの寝かしつけって、本当に大変!お母さん、お父さんも、イライラしてしまうことも多いかと思います。
でも、眠りの時間は穏やかな、心地よいときであってもらいたいものですよね。
絵本の読み聞かせを通して、大人も子どもも寝かしつけの時間を楽しく温かに過ごしましょう!
一番最初の寝かしつけ絵本に、「もうねんね」はいかがですか?
「もうねんね」の読み聞かせのポイント
・寝かしつけの時間の読み聞かせがおすすめです。
・穏やかで、静かな声で読み聞かせてあげましょう。
・早口にならずにゆっくりと。ページもすぐにめくらずに、絵をじっくりと見ることのできる時間をとりましょう。
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