こんとあき(絵本)ドキドキがいっぱい!この上ない家族愛の物語

こんとあき紹介

「こんとあき」の情報

こんとあき表紙

「こんとあき」
作:林明子
出版社:福音館書店
発行日:1989年6月30日
おすすめ年齢:
読んであげるなら4歳から
自分で読むなら小学校初級向き
サイズ:H28×W22㎝
ページ数:40ページ

「こんとあき」はこんな子におすすめ

きつねと本

大切なぬいぐるみを持っている子

少し長いお話も楽しめるようになってきた子

ハラハラドキドキの物語を好む子

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「こんとあき」の簡単なあらすじ

あきは、ぬいぐるみの“こん”といつも一緒。ある日、こんのうでがほころびてしまいました。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とこんは言います。

こんとあきは、さきゅうまちにあるおばあちゃんの家に行き、こんを直してもらうことにしました。

さきゅうまちは、汽車にずっと乗っていくほど遠くにあります。こんとあきの大冒険のはじまりです。

「こんとあき」のレビュー

お気に入りのぬいぐるみを持っているあの子に

テディベア

ぬいぐるみとずっと仲良し!ぬいぐるみと一緒に成長する子っていますよね。いつでもどこでも一緒、とっても可愛くて微笑ましいです。

私の妹も、犬のぬいぐるみ「ろうず」をずっと大切にしていました。小学校中学年、高学年くらいまで、ずっと仲良くしていたような記憶です。本物の犬を飼い始めたら手放してしまいましたが。

子どもがぬいぐるみを大切にしているのと同じくらい、ぬいぐるみもきっと子どものことを大切に思ってくれているはず。

今回ご紹介する絵本は、そんな子どもとぬいぐるみとの家族愛の物語です。

タイトルは、「こんとあき」。ぬいぐるみの“こん”と、女の子の“あき”の家族愛が美しく描かれています。

一緒に成長する「こんとあき」

ぬいぐるみに喜ぶ赤ちゃん

絵本の冒頭、こんと一緒に過ごしながら成長するあきを、絵を斜めに配置した場面構成で表現しています。

1ページに簡潔に描かれていますが、あきがどうやって成長し、こんもその成長を見守っている様子がよくわかります。

よく見ると、されるがままだったこんが、最後にはあきと一緒に遊べるようになっています。

こんも成長しているのですね。でも、だんだん古くなって色も黒っぽくなっていきます。

絵本「こんとあき」は、一緒に成長する様子をまとめた1ページが必見!

初めて靴を履いたあき、その靴に注目!

赤ちゃんの靴と松ぼっくり

こんとあきの成長を描いているページ、是非注目してもらいたい部分があります!

あきが、初めて靴を履いた日の絵です。こんとあきは、お揃いのイエローの服を着ていますね。可愛い♪初めて履いた靴も、黄色の靴紐が可愛い…。

あっ、この靴は!!

作者の林明子さんは、「くつくつあるけ」という絵本も作っています。この絵本と是非見比べてもらいたい、そんな場面です。

林明子さんは、ほかにも絵本の中に様々な秘密を隠しているみたいですよ。

「こんとあき」は色使いと表情で、ドキドキワクワクを演出!

正面笑顔の女の子

あきが旅行の支度で選んだ服は、赤、青、緑、黄色ととってもカラフルです。

これから始まる冒険に、ワクワクする気持ちがあふれ出ています。

林明子さんは、子どもの表情を描くのがとっても上手!不安だったり悲しかったり、驚いたり!

生き生きとした表情を見て、子どもたちはあきと同じ気持ちになってハラハラドキドキ、絵本の世界を冒険するのです。

表情の無いはずのぬいぐるみのこんも、林明子さんの手にかかれば表情豊か

こんは、とっても頼りになるぬいぐるみ!「だいじょうぶ、だいじょうぶ」の言葉であきをずっと導いてくれます。

「こんとあき」は、登場人物の心情を表現する色使いや、表情の描き分けが魅力!
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大事件発生!広い砂丘から探しだして!

望遠鏡を覗く女の子

こんとあきは、やっと砂丘にたどり着きます。その砂丘のページ、見開きを使って広い広い砂丘を感じることができます。

青い空に、ずっと広がっている砂丘の絵は、なんだか感動的

砂丘を見たことのある子どもは多くないでしょう。私も見たことはありませんが、どんなものなのか、それを絵本から知ることができます。

そこで発生するのが、思いもよらない大事件!子どもたちのドキドキは止まりません

あきは、広い広い砂丘の中で、必死に行動するのです。

「だいじょうぶ」だけど大丈夫じゃない。今度はあきが頑張ります!

階段をのぼる子ども

やっとの思いで、あきはこんを探し出します。こんは言うのです。「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

それまで、こんはずっと「だいじょうぶ」とあきに言ってくれていました。

絵本を読んでいる子どもも、こんの言う「だいじょうぶ」に励まされながら絵本を楽しんでいたはずです。

大丈夫ではない姿で、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言われることで、ずっとその言葉に安心していたことに気づくのです。

ずっと頼りにしてきたこんを助けるため、今度はあきが頑張る番

陽も落ちてきて、だんだん暗くなっていく画面。なんて美しい、でもなんて不安になる場面なのでしょう。

ずっと「だいじょうぶ」と、こんに守られてきたあきが、こんを助けるために頑張る場面でハラハラドキドキ!

世界一嬉しいイヤイヤ!「こんとあき」は、この上ない家族愛の物語

泣く女の子

大丈夫ではなくなってしまったこんは、どうなってしまうのでしょうか…。

絵本を読み進めると、私が「世界一嬉しいイヤイヤ」だと思う場面が登場します。

ハラハラドキドキがいっぱいで、不安になる場面もあるけれど、最後は嬉しいハッピーエンドです♪

絵本「こんとあき」は、これ以上無い温かい家族愛を詰め込んだ一冊! 大切なぬいぐるみを持っている子に贈りたい絵本です。

「こんとあき」は、家族愛感じるハッピーエンドが嬉しい絵本♪

「こんとあき」を読んで、絵本の可愛さや魅力にすっかりとりつかれてしまった人も多いはず!絵本ナビでは「こんとあき」のグッズが販売されています

なかでもとりわけオススメなのが、まるで本物!の“こん”のぬいぐるみ。子どもが夢中になって遊ぶこと間違いなし!大人が可愛がるのにもおすすめの可愛さです。

「こんとあき」の読み聞かせのポイント

こんとあき表紙

・こんとあきの会話を、自然に会話しているような口調で読み聞かせてあげましょう。

砂丘に到着する場面は、文の量は少ないですが、すぐにページをめくらずに、少し立ち止まって砂丘の広さを堪能してみましょう。

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