絵本の読み聞かせの後って、どうすればいいの?
ネットで調べてみたけれど、色々な意見があって悩む…。
今回のコラムでは、こんな疑問にお答えします!
・絵本の読み聞かせの後どうするか、という問題は専門家の間でも対立している。
・それぞれの意見を主張する理由を知って、自分なりの答えを出すヒントにしよう!
・morinaのおすすめは、読み聞かせのあとは会話を楽しむこと!
読み聞かせの後、いつもどうしてる?
いつも絵本の読み聞かせを楽しんでいますか?
読み聞かせの時間って、楽しいですよね。子どもが自分の声に耳を傾けて、一緒に同じ本を眺めている…。とても愛おしい時間です。
さて、あなたは、絵本の読み聞かせの後は、どうしているでしょうか。
「はい、おしまい」と、質問などはせずに読み聞かせの時間を切り上げていますか?それとも、絵本の内容や感想について質問したり、子どもとお話したりしているでしょうか。
実際のところ、どうすればいいの?
これは、実はとても難しい問題なのです。人によって意見が真っ二つに分かれてしまいます!
私も、絵本について様々な書籍や読み物を読んできましたが、読み聞かせの後、質問をせずにそのまま終わらせたほうがいい、という意見と、是非色々と話し合ってみましょう、という意見は、ほぼ同じくらい存在しています。
あなたはどうしたいですか?それを考える前に、それぞれの意見の考え方を知っておきましょう。
1.読み聞かせの後、質問をせずにそのまま終わらせたほうがいい、という意見
2.読み聞かせの後、是非色々と話し合ってみましょう、という意見
上の2つの意見が対立している!
読み聞かせの後の質問はNGという意見があるのはどうして?
まず、「読み聞かせの後に子どもに質問しないほうがいい」という意見からです。
子どもは、絵本の読み聞かせの最中、ただ聞いているだけではなく、非常に色々なことに頭を働かせながら楽しんでいます。
そうした想像力を養う活動は、読み聞かせが終わった後にも続いているので、その最中に「どうだった?」などと質問すると、子どもの考える時間を遮ってしまう、と言われています。
「質問をしないほうがいい」と考える意見は、子どもたちの自由な想像する力を大切に考えている方々の意見なのです。
読み聞かせの後は会話を楽しんだほうがいい、という意見があるのはなんで?
反対に、「読み聞かせの後は、積極的に質問したり子どもと会話をしたほうがいい」という意見は、どのような考えからなのでしょうか。
絵本の読み聞かせは、大人と子どもとのコミュニケーションの時間です。
子どもは、大人が一緒に楽しんでくれている、という感覚が嬉しく、読み聞かせがどんどん好きになっていきます。
読み聞かせのあとに、「どう思った?」という質問や、「私はここが面白かった!」などの会話を楽しむことで、子どもとの間にコミュニケーションが広がっていきます。
絵本を読んでいるときも、読み終わった後のお話も楽しい。楽しい気持ちが更に広がり、次の読み聞かせを楽しみにする、という期待が持てます。
「読み聞かせの後は子どもとの会話を」と考える意見は、子どもとのコミュニケーションや愛情表現を重要視した温かな考えを持っている方々の意見なのです。
morinaはこう考える!絵本の読み聞かせの後もコミュニケーションを大切に
さて、ここまで読んだあなたは、一体どのように考えるでしょうか。
子どもの想像力を尊重したいから、読み終わったあとは質問しないでおこうかな。
私はコミュニケーションを大切にしたいから、どんどん会話しよう!
どちらも素敵な考え方だと思います。
両方を実現することはできないので、その子の特性に合っている方法を選んであげてください。
絵本を読んであげたい子は、読み聞かせのあと、何か考えている様子でしょうか?それとも、いっぱいおしゃべりしたい意欲があるでしょうか?
子どもの様子を見ながら決めていってあげてくださいね。
では、ここからは、「読み聞かせの後にどうすればいいか」
私の意見についてお話していこうと思います!
私は、読み聞かせの後に質問や会話をして、コミュニケーションを楽しみたいと考えています。
先ほども話したとおり、子どもたちにとって、絵本の読み聞かせは大人も一緒に楽しんでこそ価値のあるものとなっていきます。
読み聞かせの後に、子どもたちと意見を交換し合って、「こんな考えをもっているのか!」とか、「もうこんなことを想像できるんだなぁ」などと知ることができるのは、とても楽しいことなのですよ。
そうした子どもたちの意見を知ることができる楽しみを、大人も持つことができる。大人と会話することで、子どもたちも楽しい。
大人と子ども双方のメリットを得ることができるので、私は読み聞かせのあとの会話をおすすめしています。
読み聞かせのあとに会話や質問をすることは、絶対に悪というわけではない?
また、絵本の読み聞かせのあとに質問をしたからといって、必ずしも子どもの想像力を妨げてしまうか、というのも、実際のところ本当かどうか確かめるのは難しいと思っています。
反対に、自分の頭の中にあることを考えて話すことによって、バラバラに散らばっていたイメージが繋がったり、自分の意見を人に伝える能力が養われていくのではないか、とも思っています。
ひとつ、例をあげましょう。
ニューヨークやシカゴで行われた実験では、小学2年生の子どもに対し、本を一冊読んで内容を問うテストに正解できたら200円のご褒美がもらえる。ということを繰り替えすと子どもの学力が向上する効果がある、という結果が得られたそうです。
学力アップ!?なんて魅力的…!
この実験は経済学を目的とした実験なので、今回のお話の論点とは少しずれているかもしれませんが、絵本を読んだ後に質問すること自体は完全に悪ではない、ということを裏付けるものとしてご紹介いたしました。
でも、学力向上を目的として絵本の内容について細かく質問して、正解を子どもに植え付けたり、大人の意見を押し付けたりしてはいけませんよ。
上手に答えられなかったときに「聞いていなかったのね」と言われてしまったら、子どもは絵本の時間が好きではなくなってしまうかもしれません。
そんなことをしなくても、絵本は充分に子どもたちの力を伸ばしてくれます。
決して本を読んだご褒美にお金を渡すのが良い!と主張しているわけではありませんからね。
あくまでもこれは参考データです。
先ほどもお話したとおり、大切なのは楽しいコミュニケーションです!お互いに負担にならないように、楽しく会話できれば充分だと思っています。
絵本を読んだあとに、どんな話をすればいいかわからない、という方は、絵本のレビューページに書いてある「読み聞かせのポイント」を是非参考にしてみてください。
その絵本に合った読み聞かせの方法や、読み聞かせの後のおすすめの話題などを記載しています。
絵本の読み聞かせの時間は楽しいものです。その楽しい読み聞かせの後、どうするのかはあなた次第です。
このお話を読んで、あなたの意見を持つための参考にしていただければ嬉しいです♪
今回のポイント
今回のコラムのまとめです!
・絵本の読み聞かせの後は、「質問しないほうがいい」という意見と、「質問や会話を是非楽しんで」という意見が対立している。
・どちらの意見も、子どものためを考えているもの。それぞれの意見を知って、自分の考えを持とう。
・morinaの意見は、読み聞かせのあとは会話を楽しんで欲しい。絵本のレビュー記事を参考にしてください!
参考文献
・木村はるみ『乳幼児のことばを育てる』雲母書房、2005年
・中室牧子『「学力」の経済学』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2015年