きょだいな きょだいな(絵本)ダイナミックで楽しい!色使いも美しい

きょだいなきょだいな紹介

「きょだいな きょだいな」の情報

きょだいなきょだいな表紙

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「きょだいな きょだいな」
作:長谷川摂子
絵:降矢なな
出版社:福音館書店
発行日:1994年8月
おすすめ年齢:
読んであげるなら3歳から
自分で読むなら小学校初級向き
サイズ:H20×W27㎝
ページ数:32ページ

「きょだいな きょだいな」はこんな子におすすめ

・大きなもの、数が多いものなど、ダイナミックな表現を喜ぶ子

・絵本の絵をじっくりと見ることを楽しむ子に

オノマトペ(擬音語等)を好み、聞いたり口にしたりすることを楽しんでいる子に

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「きょだいな きょだいな」の簡単なあらすじ

「あったとさ あったとさ」

野原のど真ん中に、空まで届きそうな巨大なピアノがありました。そこに子どもが100人集まって、何やら楽しいことをするようです。

野原のど真ん中にあるのは、ピアノだけではありません。巨大な石鹸、巨大な黒電話、巨大なトイレットペーパーなどなど…それらを子どもたちはどうするのでしょうか?

「きょだいな きょだいな」のレビュー

ことばのリズムがとっても楽しい!

ピアノの上で遊ぶひよこ

絵本の中の世界は、想像の世界です。

現実では絶対ありえないような突拍子のないことまで、いとも簡単にそこに存在させてしまう不思議な力があります。

「あったとさ」はすごい可能性を秘めた不思議なことば。現実ではありえない、巨大な○○があったら…?大人だったら現実的な利用方法を考えるでしょう。

でも、それを見つけたのが子どもだったら、たちまち楽しい遊びが生まれてくるのです!

そんな「きょだいな きょだいな」は、ことばのリズムが楽しく、何度も繰り返して読んだり聞いたりするのが楽しい作品です。

独特の世界観で紡がれたオノマトペ(擬音語等)が子どもたちの心に突き刺さります。

「きょだいな きょだいな」は、ことばのリズムが面白いファンタジー絵本!

「きょだい」だけど、とっても精巧な絵に注目!

絵具カラフル

様々な色が混ざり合った絵は、とても素敵な世界を作り出しています。

どのページも色鮮やかで、次はどんなことが起きるのかな?とページをめくるのが楽しみになります。

さて、あなたはグランドピアノを下から見上げたことってあるでしょうか?子どもの背丈からだったら身近なものかもしれませんが、大人にとってはなかなか見られない光景ですよね。

私は実は見たことがあります!この絵本の絵はペダルを繋ぐ線や形状が本物と同じように描いてあり、とても精巧です。

上から見たときには鍵穴があったり、滑らかで黒い蓋に鍵盤が映り込んでいたりと、本物を意識した細かい描き込みも確認しておきたいポイントです。

登場する巨大な物たちは、子どもたちが生活のどこかで見たことがあるものなのが自然に絵本を楽しめる理由です。

登場する電話は古い黒電話なので、こんな電話があるのか!と驚く子も。

この電話の場面は、今までの文のリズムと絵の構成とはちょっと変えてあるので、他の場面とは違うインパクトのあるシーンとなっていますよ。

個人的には巨大な石鹸に描かれた「AWAWAWAN」の商品名にぐっときます。あぁ、石鹸ってこんな感じで文字が彫ってあるよなぁ、と感心してしまうのです。

「きょだいな きょだいな」は、子どもたちの見たことがあるものが精巧に巨大化しているのが楽しい絵本!
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突然の静けさに引き込まれる!世界観を失わない時間経過の工夫に脱帽です。

星空

巨大なトイレットペーパーが現れる場面をよく見てみると、空の色が赤くなっており、夕方であることがわかります。

トイレットペーパーの話に夕方であることは直接的な関係はないのですが、なぜこの場面は夕方なのでしょうか。

それは、次に巨大なガラス瓶が登場するのが夜のシーンだからです。

突然夜になったことに違和感を抱かないように、夕方になって夜が来る、という自然に受け入れられるような配慮がしてあるのが素晴らしいですね。

その夜のシーンの静けさが、また素敵なのです!

それまでは、巨大な巨大な物たちに、子どもたちみんなが大はしゃぎでテンポよく動き進んでいた物語ですが、夜になり突然静かで穏やかな時間がやってきます。

文量を抑えてページをめくる回数も減り、一度心を落ち着かせることで、絵本にふっと引き込まれる瞬間となります。

その後のまた大騒ぎのシーンが楽しい!このリズムの良さがこの絵本を引き立てています。

「きょだいな きょだいな」は、絵本全体のリズム感でも引き込まれる作品♪

安心して楽しめるファンタジー作品です。大型絵本もあるよ!

ファンタジーたっぷりの世界で思い切り遊んできた子どもたちですが、最後のページで現実の家族のところに戻ってきます。

ちゃんと帰る場所があるので、子どもたちは安心してまたファンタジーな世界に冒険に出かけ、楽しんでくることができるのです。

きつねと本

表紙にいるきつねさんは、よくみると最後のページ以外全てに登場しています。

巨大な石鹸に驚いてのけぞったり、巨大な桃を見つけて震え上がったりと、きつねさんの表情や動きにも注目して頂きたいです。

もし保育園や幼稚園など、大人数に読み聞かせをする場合は、この「きょだいな」世界観やダイナミックな絵をより強く感じられる大型絵本を利用するのが特におすすめです!

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登場する子どもたちはみんな生き生きと楽しそうにしています♪是非一緒に楽しい時間を過ごしてみてくださいね。

「きょだいな きょだいな」の読み聞かせのポイント

きょだいなきょだいな表紙

物語が元気に進む場面と、静かになる場面を意識して読み聞かせてみましょう。

擬音語(オノマトペ)を強調してリズムよく楽しく読みましょう。

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作者の他の作品

長谷川摂子さんの作品

「くらい くらい」
文:はせがわせつこ
絵:やぎゅうげんいちろう
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:0歳から

こんな子におすすめ

生き物がたくさん出てくる絵本を喜ぶ子

 

・明るい、暗いの感覚がわかるようになってきた子や、スイッチを触るのが好きな子

 

繰り返しの表現が出てくる絵本を楽しんでいる子に

 

想像することの楽しさを感じ始めた子

こちらの記事もどうぞ♪

「もりのなか」
文・絵:マリー・ホール・エッツ
訳:まさき るりこ
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:
読んであげるなら2歳から
自分で読むなら小学校初級向き

こんな子におすすめ

・不思議なことが大好きで、ファンタジー作品を楽しむ子

 

動物がたくさん出てくる絵本を喜ぶ子

 

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