【養殖絵本って何⁉】選んじゃいけない絵本ってあるの?筆者の実話!

子どもに絵本を読んでもらいたいけど、選んじゃいけない絵本ってあるのかな?

今回のコラムでは、こんな疑問にお答えします!

本コラムの内容

・筆者が大学で教えられた、「養殖絵本」は絵本の専門家から嫌われている?

 

・当サイト筆者は養殖絵本を沢山読んで育った!養殖絵本のメリットを教えます。

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学生時代「養殖絵本はダメ!」と教えられた。

養殖の絵本はダメです。天然の絵本を選びましょう。

私が大学で学んでいたとき、講師はそう言いました。

その話をきくたびに、モヤッとした気分になっていた生徒は、きっと私だけだったのでしょう。

今回は、養殖絵本と私のお話です。

「養殖絵本」とGoogleで調べても、出てくるのはマグロの養殖に関する本です。どうやらこの表現は、講師が作った言葉なのでしょう。

なので、あなたが「養殖絵本」が何なのかを知るメリットは特にありません。

でもこの言葉は、ある種類の絵本の特徴を伝えるのに非常にわかりやすいため、あえて「養殖絵本」という言葉を使ってこれからのお話を進めていきますね。

「養殖絵本」という呼び方をしているのを聞いたのは、大学の講師からのみです。

しかし、講師が「養殖絵本」と読んでいる絵本は、他のどの絵本の専門家もあまり良い反応を示していない絵本です。

その絵本の専門家から嫌われがちな「養殖絵本」は、本当にダメなものなのか、私なりの考えをお話していこうと思います。

はじめにお伝えしておきますが、本コラムは他のコラム以上に私の個人的な考えが強く反映されています。
他の絵本の専門家の考えとは大きく異なることもあるでしょう。

あくまでも「私の」考えですので、読んだ内容を鵜呑みにするだけでなく、他の情報も集めてご自身でも考えてみることをおすすめいたします!

そもそも、養殖絵本ってどんな絵本のことなの?

では、筆者が大学で教えられた「養殖絵本」とはどのような絵本なのでしょうか。

講師の造語ですので、わからない方が多いと思います。説明いたしますね。

「天然絵本」とは

まず、「養殖絵本」と反対にある、「天然絵本」についてお話しましょう。

※天然絵本も講師の造語であり、一般名称ではありません!

「天然絵本」は、絵本作家がこだわり抜いた絵と文章で構成されます。

その形態は唯一無二で、他に似たような作品は存在しません。

有名な昔話を扱う絵本だとしても、その絵やことばは作家によって丁寧に作られています。

当サイトで紹介している絵本も「天然絵本」です。

まさに子どもに読んでもらいたい絵本!それが、天然絵本です。

「養殖絵本」とは

次に、「養殖絵本」についてお話します。

「養殖絵本」は、大概がシリーズ化されています。

「世界の名作」や「日本の昔話」など、すでに世の中に広く知られているお話を題材としていることが多いです。

そのシリーズを通して、どの絵本を見ても絵は同じようなタッチで描かれています。アニメ調の絵であることが多く、可愛らしいキラキラとした絵で描かれるので、特に女児が好むことが多そうです。

絵本の内容も昔話を完全に再現しているとは限らず、残虐性のある場面が改変されていることもあります。

たとえば、本来のお話では一匹しか助からないのが三匹のこぶたの本来のストーリーですが、改変されている場合だと三匹とも助かる、という具合です。

同じシリーズの作品は、どれも同じサイズで同じ分厚さ、更に同じような絵で、並んでいると同じ絵本が沢山並んでいるように見える。これも養殖絵本の特徴です。

量産品、という意味で「養殖」という表現は、非常にわかりやすいですね。

私の勝手なイメージですが、養殖絵本は本屋さんでよく、くるくると回転する棚に並んでいるような気がします。

天然絵本と養殖絵本の違い、なんとなく伝わったでしょうか。

養殖絵本はなぜダメと言われてしまうのか。

養殖絵本は、天然絵本と比べると、一冊一冊にこだわって作っているというよりは、まとめて沢山購入してもらうことを目的としている本に見えます。

その分、ひとつひとつを見ていくと、絵本づくりへのこだわり、という観点では天然絵本に勝つことができません。

同じシリーズ内では、絵もどれも似たようなものであるため、どの絵本からも同じような印象を受けてしまう、というのも好まれない理由のひとつでしょう。

また、内容を改変してしまうことがあるのにも問題があるといわれています。

この部分は残酷だからといって、子どもに伝えるときに大人が勝手に物語を改変することは、本当に良いことなのか、と考えてみましょう。

残酷な話を子どもにしたくなかったら、わざわざ改変された話を使うのではなく、そもそもそのお話をすることをやめて、他のもっと良いお話をしてあげましょう、という意見も存在しています。

  1. 絵本づくりへのこだわりが少なく、作品の内容も薄い
  2. どれも似たような絵で、同じような印象を受ける
  3. 内容を改変されてしまっている場合がある

これらのことが、「養殖絵本」のデメリット、多くの絵本の専門家から好まれない原因だと思っています。

養殖絵本は本当に子どもに見せてはいけないの?メリットを語る。

さて、このことから、「養殖絵本」は「天然絵本」よりもどの要素も劣っていて、子どもに見せないほうがいいもの、と思うでしょうか。

「養殖絵本」は、良くないものなのね!

私、絶対に子どもには養殖絵本は読ませない!

ちょっと待ってください!

ここで、養殖絵本のメリットについてお話していこうと思います。

養殖絵本は、先ほどもお話したように、大量に買ってもらうことを目的としている絵本です。

なので、大量に購入するのに適している点があります。

まず、天然絵本に比べ価格が安いことが挙げられます。一冊一冊に尽力して作っている天然絵本に比べ、人件費もかかりづらいですし、使用する紙も同じもので済みます。

「天然絵本を一生懸命作っている作家の努力を養殖絵本は壊している!」と言われてしまえばおしまいですが、養殖絵本は安いので、同じ金額でより沢山の絵本を購入することができます。

また、養殖絵本は同じシリーズのものを選べばどれもサイズが同じなので、収納が簡単です。

小型で薄い養殖絵本もあるので、養殖絵本が大量にあっても絵本棚が非常にすっきりします。

  1. 安くて沢山買える
  2. 沢山あってもかさばりにくく、収納が楽

この2点が、養殖絵本のメリットだと思っています。

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実は、私は大量の養殖絵本に囲まれて毎日沢山読んでいた。

ここで、私の話をしましょう。

実は私は、何百冊もの養殖絵本に囲まれ、それらの養殖絵本を非常に気に入り、毎日毎日飽きることなく読んで育った子どもでした。

それらの養殖絵本は、田舎に住んでいるおじいちゃんとおばあちゃんからの贈り物でした。

彼らは庭に大きな畑を持っており、常に何かの野菜を作っており、立派に育ったキュウリやナスなどをよく段ボールに詰めて送ってくれていました。(今もよく野菜が届きます。ありがとう!)

その荷物の中に毎回入っている、一冊の絵本が私は楽しみで楽しみでしょうがなかったのです。

荷物が届くたびに私は真っ先に段ボールを開きます。

morina
(子ども時代)

今日はどんなお話が入っているんだろう…!

そして荷物の中から絵本を探し出すと、一心不乱に読み始めるのです。

そして一通り読んで満足すると、きっちりと並んだ絵本棚の中に差し込んでいくのでした。

特に気に入ったお話は、母親に何度も何度も読み聞かせをせがみ、繰り返し楽しんでいました。

さて、養殖絵本は必ずしも悪いものなのでしょうか。養殖絵本が原因で、私の言語能力になにか悪影響はあったのでしょうか。

養殖絵本は必ずしも悪いものではない!ただ使い方に気を付けて。

私は、養殖絵本が大好きで毎日のように読んでいたのですから、今でも養殖絵本のことを悪く言うことができません。

おじいちゃんおばあちゃんが送ってくれる絵本が、養殖絵本ではなく天然の絵本だったならば、あんなに沢山の絵本を購入すれば家計を圧迫していたかもしれません。

養殖絵本だったからこそ、私はあれほどの数の絵本に囲まれることができたのです。

毎日毎日飽きずに文章を読んでいた私の日本語の能力は、決して悪いものではないと自負しています。

養殖絵本を読んで、日本語の能力を高めていった私から、養殖絵本の使い方のアドバイスをお伝えします。

子どものための絵本を一冊だけ選ぶにあたっては、絶対に「天然絵本」のほうが良いです。

ここに関しては譲れません。

絵本作家がこだわりぬいて作った絵本は、どれも素晴らしいものです。どうぞ、最高の一冊を選んであげてください。

「養殖絵本」が天然絵本に勝てる要素は、【圧倒的な量】ただひとつです。

もしもお子様が、絵本が大好きで大好きで、ものすごい量の絵本を欲している、図書館に行ってもすぐに読み切って、また図書館に通うのが大変だ、という場合でしたら、養殖絵本の出番です!

圧倒的な数を用意してあげれば、絵本が大好きな子も満足するでしょう。

でも、全てを養殖絵本で固めるのはダメですよ。天然絵本と並行利用しましょう。

少数精鋭の場合は、「天然絵本」が絶対おすすめ、それだと追い付かない場合のみ、「養殖絵本」を使っても良い、というのが私の出した結論です。

大好きだった養殖絵本を、私の子どもにも。

正直に言うと、私のような養殖絵本が向いている子どものほうがレアケースだと思います。

現に、妹はあまり絵本を読まなかったので、彼女には養殖絵本よりも天然絵本のほうが向いていました。

でも私が養殖絵本のおかげで楽しい時間を過ごせたこと、家族の愛情を感じていたこと、大量の文章からことばを学んでいたことは事実です。

なので、あの沢山の養殖絵本はまだ実家に取っておいてあるのです。いつか私の子どもに、それらの養殖絵本を譲ってあげようと思っています。

もちろん、子どもが沢山絵本を読みたがる子だったら、です。

私が子どものときは、段ボールの中から毎回一冊ずつ出てくるのが楽しみでした。なので、一度に絵本が揃ってしまうのではなく、少しずつ集められるような工夫ができれば楽しいかな、興味も沸くかな、と考えてわくわくしています。

私の大好きだった絵本を、いつか私の子どもが楽しむ日が来るでしょうか!今からとっても楽しみです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

養殖絵本、どうでしょうか。正直、胸を張って「おすすめです!!」と言えるものではないかもしれません。

養殖絵本は、【質より量】です。

それが向いている子どもにのみ、利用してもいいものなのではないかな、と私個人は思っています。

もちろん、「絶対天然絵本が良いに決まってる!」という方もいるでしょう。

その意見も、正しいです。でも私は、養殖絵本が大好きでした。

この話を読んだあなたには、自分の意見で絵本を選べるようになってほしいと思っています。

自分でしっかりと考え、選んだ絵本は、どれも正解なのでしょうから。

今回のポイント

今回のコラムのまとめです!

天然絵本はこだわり抜かれた素晴らしい絵本。【量より質】是非選びたい絵本

養殖絵本は大量生産の安い絵本。【質より量】それも圧倒的な量を。

・養殖絵本は、絶対に悪いものだとは言い切れない。使い方に気を付けて。