いもうとのにゅういん(絵本)姉妹の愛情と成長を、人間らしく描く

いもうとのにゅういん紹介

「いもうとのにゅういん」の情報

いもうとのにゅういん表紙

「いもうとのにゅういん」
作:筒井頼子
絵:林明子
出版社:福音館書店
発行日:1987年2月25日
おすすめ年齢:
読んであげるなら3歳から
自分で読むなら小学校初級向き
サイズ:H27×W20㎝
ページ数:32ページ

全国学校図書館協議会選定
厚生省中央児童福祉審議会特別推薦

「いもうとのにゅういん」はこんな子におすすめ

くまのぬいぐるみ

仲良しの姉妹がいる子

大切なぬいぐるみやお人形を持っている子

お父さんの読み聞かせにもおすすめです

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「いもうとのにゅういん」の簡単なあらすじ

あさえは、友だちのひろちゃんと一緒に人形遊びをする約束で帰ってきました。でも、お人形のほっぺこちゃんはいません。また、妹のいたずらです。

そんなとき、ぐったりした様子の妹をおんぶした、お母さんが来ました。

どうやら、これから妹を病院に連れていくようなのです…。

「いもうとのにゅういん」のレビュー

姉妹の愛情を描いた絵本「いもうとのにゅういん」

花の冠をかぶる姉妹

きょうだいがいると、毎日が賑やかですね。沢山一緒に遊んで、沢山喧嘩もして、一緒に育ちあう関係性は、とても素敵なものです。

今回ご紹介するのは、「いもうとのにゅういん」という絵本です。タイトルのとおり、妹が入院するという、大事件を描いた作品!

入院なんて、どうなっちゃうの!?と思いきや、姉妹の愛情や子どもの成長を描いた、素敵な絵本なのです。

表紙を見てみると、柔らかい笑顔で見つめ合う可愛らしい姉妹が。表情は優しいけれど、よく見るとお姉ちゃんは妹にお人形を触られないようにしているようなのです。

大好きな妹だけれど、大切なお人形は独り占めしたい!そんな気持ちを感じ取ることのできる表紙です。

不安になったり、余裕が無かったり、完璧じゃないから人間らしい。

ハートを持つ子どもの手

「いもうとのにゅういん」に登場する人々は、みんなが完璧ではありません。だからこそ、とっても人間らしいのです。

あさえに怒られるのがわかっているのに、彼女の大切にしているお人形にいたずらをしてしまう妹。

そして、大切なお人形にいたずらされて、怒るあさえ。お互いを大切に思い合う姉妹だけれど、一人前に主張し合うのです。

妹の一大事に、お母さんもちょっと余裕が無さそうです。お姉ちゃんのことを気づかうよりも、妹のことが心配でしょうがないのです。

不安な気持ちのあさえに、「もうすこし、まって。」と言われたのに、雨が降りそうだと帰ってしまったお友達。

友だちの妹が手術をする、という話を聞いてしまった彼女も不安で、逃げ出したい気持ちもあったはずです。

このお友達、実は同じ作者の作品、「とん ことり」に登場する子です。この子の弾けるような笑顔が見たい方は、是非「とん ことり」を読んでみてください♪

雷が鳴る場面、ひとりで布団の中に潜り込むしかないあさえは、不安でたまらないのです。

絵本を読んでいる人からすると、あさえを不安にさせないために、こうすればもっと良かったのではないか?という場面がいくつか見つかります。

でも、登場人物たちはみんな一生懸命で、人間らしい。そのときの彼らにはそうするしかなかったのだろうな、と思わせる、物語の展開が非常にリアルです。

そして、そのリアルな展開に、あさえは彼女なりに立ち向かうことになるのです。

・「いもうとのにゅういん」の登場人物は現実的で、一生懸命!

リアルな展開に立ち向かう主人公に必見の絵本です。

「いもうとのにゅういん」ではお父さん活躍!家族で助け合うことの大切さを描く。

仲良し親子

そんなところに登場する、お父さんはまさに救世主です!お父さんが来るだけで、画面がいっきに明るくなります。

突然の連絡にすぐに対応し、超特急であさえの元に帰ってくる!

そして、あさえに美味しい夕食を食べさせてあげる!ふたりのお父さんは、とっても頼もしい存在です。

大切な子どもたちのために、夫婦で協力することの大切さ、そして家族を思いやる大切さが描かれています。

「いもうとのにゅういん」は、お父さんの存在がとっても嬉しい絵本♪
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もっと喜んでもらいたい!姉妹の愛情と成長が美しい。

しゃぼん玉で遊ぶ女の子たち

入院している妹のために、何をすれば彼女が喜んでくれるか、幼いながらお姉ちゃんのあさえは一生懸命考えます。

妹のためにと考え抜いた彼女の決断は、彼女にとってとても大きなものでした。

お姉ちゃんの一生懸命考えたお見舞いのプレゼントに、妹はとても嬉しそうに喜ぶのです。

あさえは、「いもうとのにゅういん」という大事件を通して、大きく成長しています。

お母さんも安心した顔で、あさえの成長を喜びます。

・「いもうとのにゅういん」は、姉妹の大きな愛情を描いた絵本。

・物語の中で主人公の大きな成長が感じられる絵本!

探してみよう!「いもうとのにゅういん」にこっそりと隠れている描き込み。

望遠鏡を覗く女の子

林明子さんは、ときどき絵本のなかに、こっそりと他の絵本の登場人物を隠しています

「いもうとのにゅういん」にも、もちろん隠れていますよ。お見舞いに行く場面、病院の背景をよく見てみましょう。

奥の自動販売機の前にいるこの子は…!隣で抱っこされているのは、きっと赤ちゃんだったあの子。ずいぶん大きくなったようです。

よく探すと、他にも見覚えのある人が登場していますよ。探してみてくださいね♪

「いもうとのにゅういん」は、大切な妹のために!短い期間の間に、とっても大きく成長するあさえの物語です。

仲良しの姉妹に是非読み聞かせてあげてくださいね♪

「いもうとのにゅういん」の読み聞かせのポイント

いもうとのにゅういん表紙

不安な気持ちや、嬉しい気持ちを声にのせて、表現しながら読み聞かせをしてあげましょう。大げさである必要はありません。

・他作品のキャラクターが登場したり、おままごとで使われていた道具が他の場面で登場したりと、描き込みが沢山あります。見つけて楽しんでみましょう。

お父さんが大活躍するお話です。お父さんの読み聞かせもおすすめですよ♪

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はじめてのおつかい
はじめてのおつかい表紙

作:筒井頼子
絵:林 明子
出版社:福音館書店
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おつかいに興味が出てきた子や、興味を持ってもらいたい子に

 

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春の暖かい季節の読み聞かせ

 

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