「おにぎり」の情報
「おにぎり」
文:平山英三
絵:平山和子
出版社:福音館書店
発行日:1992年9月15日
おすすめ年齢:2歳から4歳向き
サイズ:H22×W21㎝
ページ数:24ページ
「おにぎり」はこんな子におすすめ
・おにぎりが大好きな子に
・料理に興味を持っている子に
・食育を目的とした読み聞かせにも
「おにぎり」の簡単なあらすじ
おにぎり作りを、最初から最後まで。
丁寧なことばと優しくリアルな絵でおにぎり作りを表現しています。
「おにぎり」のレビュー
大好きな「おにぎり」を、もっと知りたい!
子どもって、おにぎりが大好きですよね。
保育園で働いているときも、栄養士さんの握ってくれる子どもサイズの小さな小さな三角おにぎりが大人気でした。あの小さなおにぎり、大人の手でどうやって握るのか…、今でも謎のままです。
私自身、子どもの頃からシンプルな塩むすびが大好きです!昔お母さんがよく握ってくれたのは、片手で握る楕円形の小さな一口サイズのおにぎりでした。あの頃は、三角おにぎりよりも好きでした。
どんな子どもでも、大好きな食べ物、それがおにぎり!
今回ご紹介する絵本、「おにぎり」を通して、大好きなおにぎりについてもっともっと知っていきましょう。
まるで写真!海苔が超リアルな「おにぎり」
最初、「おにぎり」の表紙を見たとき、「えっ、嘘!? 写真じゃないの?」と思いました。
驚くほどに立体的に描かれたそのおにぎりは、本物にしか見えなかったのです。
何よりもおにぎりを包んでいる海苔!!ご飯の水分を吸って少しだけ柔らかくなり、つやっと光を反射しているその質感。
本当は写真なんじゃないの…?と、顔を近づけてよく観察してしまいました。
よーく見るとやっぱり絵でした。
優しいタッチの絵が、おにぎり作りの雰囲気を演出
驚くほどにリアルなおにぎりの表紙をめくると、雰囲気は一変!
ほんわかと優しい雰囲気の絵に引き込まれます。といっても、海苔だけはやたらリアルなのがびっくり。
優しい雰囲気の絵が、ほかほかとご飯から立ち上る温かい湯気や、おにぎりを握る人の優しい手を表現するのにぴったり!
おにぎり作りの世界観を見事に表現した画風なのです。注目は、おにぎりを作る手の動き!丁寧で優しい、愛情のこもった手です。
おにぎり作りを最初から最後まで!にっこりポイントが楽しい。
絵本「おにぎり」では、おにぎりを作る工程を最初から最後まで全て描いています。
握るところだけではなく、ご飯を炊くところから、手に水や塩をつけるところまで、全てです。
丁寧に紡がれたことばの中に、時々にっこりポイントが!熱いごはんを手にのせたときに「あつ、あつ。ふっ、ふっ。」ということばが、おにぎり作りの触感や温度感、香りまでを感じさせます。
また、個人的に好きなのが、「うめぼし うめて」ということば。“入れて”ではなく“うめて”を使うことで、“うめぼし”ということばと韻を踏んでいます。
こうしたちょっとしたことば遣いで日本語を楽しむ!これこそが絵本です。
美味しそうな絵本のおにぎりを味見しちゃおう!
握ってできたのは、丸みを帯びたふっくらおにぎり。よく見ると、大きなおにぎりの横に小さなおにぎりが並んでいます。子ども用かな?
それに海苔を巻くと…。とたんにリアルおにぎり!
とっても美味しそうなので、絵本からつまみ出したつもりになって、食べてしまいましょう♪
こうした「食べたつもり」遊びは、味や香りをイメージするため、子どもたちの想像力をぐんぐん育てることのできる楽しい遊びです。
食育!本物のおにぎり作りにチャレンジしよう
もし「おにぎり」を読んで、子どもがおにぎり作りに興味を持ったら、本物のおにぎり作りにチャレンジしてみましょう!
簡単なものでも自分で料理をする、という経験は、食育にもつながります。
食べることは、生きることに直結していますからね。食育は大切です。たとえ不格好になってしまっても、自分で握ったおにぎりは世界一美味しいおにぎりです。
くれぐれも火傷しないようには気を付けて!絵本のように素手で握る場合は、手に怪我が無いときにしましょう。
あと、本物のおにぎりを作る場合にひとつ注意してほしいのは、食中毒です!絵本では素手で作ったおにぎりをお弁当にしていますね。
絵本出版時は違っていたかもしれませんが、現在は「おにぎりをお弁当に入れる場合はラップで包んでから握る」という方向に考えが変わってきています。
素手で握ったおにぎりは、長時間経過すると雑菌が繁殖してしまい、食中毒の原因となる可能性があります。素手で握るおにぎりは美味しいですが、お弁当にしないですぐに食べましょう!
絵本を読んで、おにぎりがもっと大好きに!
平山和子さんの絵は、いつも見ているものを更に素敵に輝かせる不思議な力があるように感じます。
私は酸味の強いものをあまり好まないので、実は梅干しはあまり好きではありませんなのに、「おにぎり」を読んでいると、梅干しおにぎりが食べたくなってくる…。不思議です。
絵本「おにぎり」を読むと、きっとおにぎりが食べたくなるはず!食育にぴったりな絵本です。おにぎりがもっと大好きになりますよ♪
「おにぎり」の読み聞かせのポイント
・美味しそうなおにぎりを、絵本からつまみ出したつもりになって一緒に味わいましょう。
・興味があれば、是非本物のおにぎり作りを楽しみましょう。
作者の他の作品
くだもの
作:平山和子
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:離乳食で果物に親しむ時期から4歳頃
・離乳食で果物を食べるようになった子に
・果物が大好きで、食べることの楽しさをもっと感じてもらいたい子に
・絵本の絵をじっくりと見ることが好きな子に
やさい
作:平山和子
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:2歳から4歳
・野菜にもっと興味を持ってもらいたい子に
・絵本の絵をじっくり見ることを楽しむ子に
・食べることの楽しさをもっと感じてもらいたい子に
いちご
作:平山和子
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:2歳から4歳
・いちごが大好きな子に!!
・植物に興味があり、実際の植物や、植物の写真や絵をじっくり見るのが好きな子に