「ふしぎなナイフ」の情報
「ふしぎなナイフ」
作:中村牧江/林 健造
絵:福田隆義
出版社:福音館書店
発行日:1997年2月5日
おすすめ年齢:
読んであげるなら3歳から
自分で読むなら小学校初級向き
サイズ:H20×W27㎝
ページ数:28ページ
「ふしぎなナイフ」はこんな子におすすめ
・ことば遊びを楽しんだり、もっとことばの楽しさを知ってもらいたい子に
・不思議な世界観の絵本を好む子に
「ふしぎなナイフ」の簡単なあらすじ
何の変哲もない、食事用のナイフ。
かと思ったら…、曲がる、ねじれる、折れる!
他にも様々な姿をみせてくれる、ふしぎなナイフです。
「ふしぎなナイフ」のレビュー
固定概念を覆す!「ふしぎなナイフ」
生きていく上で、固定概念というものは、常に付きまとってきます。それは、大人になる課程で、必要なことなのかもしれません。
でも、子どもたちはどうでしょうか。固定概念なんて存在しない世界に自由に行き来して、楽しむことができます。
今回ご紹介する絵本は、そんな固定概念を取り払ってしまうような絵本。タイトルは、「ふしぎなナイフ」です。
この絵本を読むと、ナイフって、どんな物だったっけ…?と、考えてしまうような、不思議な気持ちになりますよ。
「ふしぎなナイフ」は本物よりも本物らしい絵!だからできる自由な表現
「ふしぎなナイフ」の表紙はナイフの写真…?かと思ったら絵!冷たく光る金属質な質感まで、見事に描かれています。
まるで本物のような絵だからこそ、この絵本の不思議で面白い世界観を作り出すことができるのです。
本物よりも本物らしい、描かれたナイフだからこそできる、あっと驚くナイフの変化を楽しんでみましょう。
・本物みたいだからこそできる表現がとっても面白い♪
「ふしぎなナイフ」は曲がる、ねじれる!
さて、普通、ナイフってどんなものでしょうか。「ふしぎなナイフ」の表紙の絵を見る限り、ステーキなどを切るような卓上用のナイフです。
ということは、やっぱりよく切れるように、硬くて、鋭くて…。
と思ってページをめくると、びっくり!硬いはずのナイフが、ぐにゃりと曲がっています。またページをめくると、更に変形して、今度はねじれている…!
「ふしぎなナイフ」は、自由に形や性質が変化する、魔法のナイフなのです。
見た目は金属質なナイフなのに、ほどけたり、ちぎれたり、まさに不思議の世界です。
ことばの意味や、楽しさも知っていこう。
「ふしぎなナイフ」では、同じナイフが様々な変化をします。普通のナイフと違うところが、ことばの意味であり、この絵本の面白さです。
絵本を通して、曲がる、ねじれる、折れるなど、物事の動詞を理解することができます。
わかりやすく、見やすい絵になっているので、子どもたちはことばの意味をすぐに理解するでしょう。
教育的に考えるだけでなく、絵本そのものの楽しさも沢山あるところがオススメポイントです。
ナイフがこんなことになってしまうなんて!ページをめくるたびに、次はどんな変化が起きるのか…と、わくわくする作品です。
ナイフってこんなもの!という固定概念を覆す、不思議で楽しい絵本、「ふしぎなナイフ」!簡単で、わかりやすいので沢山の子におすすめできる絵本です。
「ふしぎなナイフ」の読み聞かせのポイント
・文量が少ない絵本ですが、すぐにページをめくってしまわずに、じっくりと絵を眺める時間をとってあげましょう。
・本物のナイフではできませんが、タオルを使って「ねじれる」、毛糸が「ほどける」、紙が「ちぎれる」など、それぞれの変化の本物の姿を見せてあげましょう。