だいくとおにろく(絵本)日本の本格昔話!でもグリム童話に似てる?

だいくとおにろく紹介

「だいくとおにろく」の情報

だいくとおにろく表紙

「だいくとおにろく」
日本の昔話
再話:松居 直
絵:赤羽末吉
出版社:福音館書店
発行日:1967年2月15日
おすすめ年齢:
読んであげるなら4歳から
自分で読むなら小学校初級むき

サイズ:H20×W27㎝
ページ数:28ページ

サンケイ児童出版文化賞対象受賞作品
厚生省中央福祉審議会推薦図書

「だいくとおにろく」はこんな子におすすめ

赤鬼

 

日本の昔話を好む子に

怖いものをやっつけるお話が好きな子に

ハラハラドキドキの展開を喜ぶ子に

お父さんや男性保育士の読み聞かせ

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「だいくとおにろく」の簡単なあらすじ

昔あるところに、流れの速い大きな川がありました。流れが速いので、何度橋を架けても流されてしまいます。

そこで、このあたりで一番名高い大工が橋を作ることにしました。

大工は、引き受けたものの、心配になってきます。橋を架ける場所へ行って、眺めていると…、川の中から鬼が出てきました!

さてさて、大工はどうなってしまうのでしょうか。

「だいくとおにろく」のレビュー

ハラハラドキドキの昔話「だいくとおにろく」を読んでみて!

鬼のお面をかぶった女の子

毎月次々と登場する絵本の新刊!常に新しい作品を作り続けるテレビ番組!新しい作品って、どれも現代の感性が存分に生かされていてとても面白いです。

でも、昔話も良いものですよ

最近の子どもたちは、日本の昔話を読んだり聞いたりすることが少なくなってきているようです。

恐ろしい鬼が出てくるような、本格的な昔話。こんな絵本も、読んでみませんか?「だいくとおにろく」のご紹介です。

昔から語り継がれる本格昔話は、現代の子どもたちも大好き!

絵本を読む男の子

「だいくとおにろく」は、いわゆる本格昔話です。子どもたちは、本格昔話が大好き!

どうして、人気があるのでしょうか?色々な理由が考えられるようですが、昔話の特性にも秘密があるようです。

昔話は、何百年も昔から人の口から口へ伝えられてきたもの。なので、その文体は子どもにとってわかりやすく、耳で聞いて心地よいものが多いようなのです。

「だいくとおにろく」は、子どもにとってわかりやすい本格昔話!

もっと聞きたい!普段は耳にしない語り口。

糸電話で会話

「だいくとおにろく」には、普段は耳にしない昔のことばが沢山登場します。

「とんと こまりはてていた」

「たまげたことに」

「でまかせを いった」

などなど、子どもたちの普段の生活には、なかなか登場しないことばです。

でも、そういったことばは、前後の流れから、なんとなく意味が分かるように上手に使われています。

普段きかないような、不思議なことば

だけど、意味はわかるし、物語は面白い!子どもたちはそうやって昔話のことばに親しんでいきます。

「だいくとおにろく」は、普段聞かない昔のことばが面白い!
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テンポ良く進んでいく物語に夢中!

リズム楽器

「だいくとおにろく」の物語は、あっけないほどにテンポ良く進んでいきます。

次から次へと変化していく物語の展開に、子どもたちはどんどんひきこまれていきます

川に橋を架けてほしいと頼まれた大工は、悩んだりしません!頼まれたら、「うん」と、二つ返事。悩むのはその後です。

ごちゃごちゃと説明したりはしません。

すっきりと物語を進めていくことで、かえってイメージしやすくなるのです。このテンポの良さが、子どもたちが飽きずにお話を楽しむことができる秘訣です。

「だいくとおにろく」は、全体のテンポの良さが魅力!

いかにも!という昔話の絵が、子どもたちをひきつける。

着物を着た男の子

「だいくとおにろく」の絵を見て、いかにも昔話!という印象を受けるかと思います。

あなたは、「ちょっと古臭いかも」なんて思ったりしていませんか?でも、子どもにとっては、これが良いのです!

昔話に限りませんが、子どもたちに、「これは古臭い」とか「新しい表現だ!」とかの感覚はありません。よく考えれば、それは当たり前のこと。大人に比べて、生きている年数が短いので、初めて見るものが多いのです。

子どもにとっては、全てが「初めて見る新しいもの」なのです!

なので、テレビでも絵本でも、最近の流行の絵柄ばかり見ている子どもにとって、本格昔話の絵は、むしろ新鮮です。

登場人物の着ている着物や、履いている草履。

これでもか、というくらいに荒れ狂う川の流れ。

真っ赤な顔で恐ろしい鬼。

こんな、いかにも昔話で使われているような絵の表現が、子どもにとっては新しく、興味が湧いてくるのです。

「だいくとおにろく」の昔の絵柄は、今の子どもにとっては新鮮!

グリム童話に「だいくとおにろく」と似たようなお話が?昔話っておもしろい!

赤ずきんちゃんの置物

「だいくとおにろく」は、日本の昔話です。でも、読んでみると、同じような展開の海外の物語を読んだことがあることを思い出しました。

確か、グリム童話のお話です。「ルンペルシュティルツヒェン」とか、「金の糸」などのタイトルで広まっています。

どちらのお話が先に生まれたのかは、よくわかりません。でも、日本と海外で、こうした同じ展開の昔話が存在するのは面白いですね。

こんな風に、似たような展開のお話を両方読んでみて、比べるのも楽しいですよ!

日本の昔話は、日本で生活する自分たちの文化。グリム童話は、海外で生活する人々の文化。

それらの共通点や違いを見つけて、お互いの良いところ、楽しいところを探してみましょう♪

参考文献
・木村はるみ『乳幼児のことばを育てる』雲母書房、2005年
・鈴木みゆき『絵本お話大好きもしもし』明治図書出版、1999年
・わたなべめぐみ『保育のためのアイデア集 絵本であそぼう』国土社、1999年

「だいくとおにろく」の読み聞かせのポイント

だいくとおにろく表紙

・昔話の語り口、大人にとっては少し話しづらいかもしれません。出来れば練習してからの読み聞かせをおすすめします。

・練習が難しいときは、少しゆっくり話しても大丈夫。子どもたちも聞き慣れないことばなので、早口だと聞き取りづらいです。

・大工は頑固そう?鬼は怖そう!登場人物が会話しているイメージをもって語りましょう。最後の決め台詞は、特に大きくはっきりと

男性の読み聞かせは、特に鬼の声が迫力満点に!

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