赤ちゃんに選ぶファーストブック、どんな絵本がいいのかしら?
0歳向けの、初めての絵本の選び方が知りたいです!
今回のコラムでは、こんな疑問にお答えします!
赤ちゃんのファーストブックの選び方!着目すべきポイントは5つです。
- 赤ちゃんにとって身近なもの、よく知っているものが登場する絵本
- はっきりと見やすく、わかりやすい絵を描いた絵本
- 発達中の目でも見やすい、はっきりとした色使いの絵本
- 単純でリズミカル!オノマトペや繰り返し表現のある絵本
- 大人とのかかわりが嬉しい!絵本
ファーストブックにおすすめの絵本のご紹介!
赤ちゃんのファーストブック、どんな絵本を選ぶ?
赤ちゃんの初めての絵本、どんなものを選ぼうか…と悩んでいませんか?
大体生後4か月頃から、初めての絵本を赤ちゃんに出会わせることは可能になってきます。もちろん、早く始めてはいけないものでもありません。現に私の子どもは生後2か月で絵本デビューを果たしました。
人は生まれてから大人になるまで、様々な本に出合いますね。生まれて初めて出会う本、ファーストブックは、その中でもとっても特別で、大切な本です。
ついつい、大人が見せたい絵本を選んでしまいがちですが、大人が好む絵本は、0歳の赤ちゃんにとって理解できないものかもしれません!
赤ちゃんに選ぶ初めての絵本、ファーストブックは、一体どのような絵本が向いているのか、本記事でお伝えしていこうと思います。
記事の最後には、具体的におすすめな絵本も紹介していますよ!
赤ちゃんのファーストブックの選び方
赤ちゃんにとって身近なもの、よく知っているものが登場する絵本
赤ちゃんのファーストブックにおすすめの絵本は、赤ちゃんもよく知っているものが題材の絵本です。
赤ちゃんもよく知っているもの…。どんなものがいいかしら?
具体的には、食べもの、おもちゃ、動物、乗り物などが登場する絵本ですね。
少し大きくなると、知らない世界やファンタジー絵本も楽しむことができるようになってきますが、0歳の赤ちゃんには少し難しい題材です。
この世界に生まれてきたばかり、0歳の赤ちゃんには、予備知識の全くない絵本を十分に楽しむことはできないのです。
・ファーストブックは食べもの、おもちゃ、動物、乗り物などの赤ちゃんもよく知っているものを題材にした絵本を選ぼう。
・空想の世界やファンタジー絵本は、もっと大きくなってから楽しもう。
はっきりと見やすく、わかりやすい絵を描いた絵本
赤ちゃんが知っているものが登場する絵本なら、どれでもファーストブックにふさわしい絵本なのかしら?
どれでも、というわけではありません。
赤ちゃんの初めての絵本は、絵が大きく見やすい絵本を選んでください。
0歳の赤ちゃんには、画面いっぱいにひとつの絵が大きく描かれている絵本を選びましょう。
また背景は一色塗りつぶしのみで、描きこみが無いものを選ぶようにしましょう。
絵に顔がある場合は、まっすぐ正面を向いた顔が描かれている絵本を選びましょう。
赤ちゃんは顔の認識能力が高く、2つの目と鼻が描かれた絵に注目する傾向があります。
・ファーストブックは絵が大きく見やすい、背景もシンプルな絵本を選ぼう。
・顔が描かれている絵本の場合は、まっすぐ正面を向いた絵がおすすめ。
発達中の目でも見やすい、はっきりとした色使いの絵本
0歳の赤ちゃんは、視力がどんどん発達している最中です。ということは、まだ十分に視力が育ち切っていない、ということです。
そんな赤ちゃんに選ぶファーストブックは、色使いがはっきりとしたものにしましょう。
具体的には、淡いパステルカラーを使った絵本よりも、赤!青!黒!などの原色を使った絵本のほうがおすすめです。
隣り合う色は似た色ではなく、色相環図で反対の位置に属しているくらいの、全く別の色を使っている絵本が特に良いでしょう。
この絵本が良い!と思ったんだけど…、原色じゃないから、他の絵本のほうが良いかしら?
原色が良いとは言いましたが、そこまではっきりとした原色でなくても、赤ちゃんのファーストブックにふさわしい絵本は沢山あります。
でも、大人が見ても見づらいような色を使った絵本は避けるようにしましょう。
背景に、シルエットのみ、というシンプルな絵本も存在します。
大人の目にはつまらなく見えるかもしれませんが、はっきりとした輪郭は0歳の赤ちゃんの目にもよく見えるようです。
・ファーストブックは、くっきりと見やすい濃い色使いの絵本を選ぼう。
・必ずしも原色でなくても良い絵本はあります。大人が見づらい絵本は避けよう。
単純でリズミカル!オノマトペや繰り返し表現のある絵本
赤ちゃんのファーストブックは、ごちゃごちゃと長い文章のある絵本は好まれません。
ことばの数は少なめで、読んでみるとリズミカル。そして内容は単純な絵本を選びましょう。
リズミカルな文章ってどんなもの?と思うかもしれませんが、口に出して心地の良い文章なら大丈夫です。
もし難しいようなら、オノマトペ(擬音語等)を利用した絵本がおすすめです。
リズミカルな文章、なんとなくわかったわ!文章について、もっとおすすめの選び方はあるかしら?
赤ちゃんのファーストブックには、繰り返し表現を使った絵本がとってもおすすめです♪
絵本を楽しみ始める赤ちゃんは、ちょうど短期的な記憶力のついてきた時期です。そんなときに楽しめるのが、繰り返し表現のある絵本!
同じことを繰り返す、という単純な絵本ですが、何度も同じフレーズを聞いているうちに、赤ちゃんはそのパターンを記憶します。
あっ、これ知ってるぞ!次はこうなるはず…。
赤ちゃんは、自分の記憶を頼りに、次の展開を予想するようになります。
やっぱりこうなった!楽しいな~。
そして、自分の予想が正しいと、嬉しくなります。そうしてどんどん絵本が好きになっていくのです。
0歳の赤ちゃんは単純でリズミカルな言葉の繰り返しをとても喜びます。初めての絵本には、是非繰り返し表現のある絵本を選んであげてください。
・ファーストブックは、ことばは少なめでリズミカル、内容は単純なものを選ぼう。
・繰り返し表現を使った絵本がとってもおすすめ!
大人とのかかわりが嬉しい!絵本
これまでファーストブックの選び方を学んできたけれど、この子が本当に絵本を楽しむことができるのかわからないのよね…。
赤ちゃんは最初から「絵本」そのものを楽しめるわけではありません。
0歳の赤ちゃんにとって楽しいのは、絵本を通した大人とのかかわりです!
赤ちゃんが初めて絵本に出会うとき、どのような楽しみ方をしているのでしょうか。
一番最初に少し書きましたが、赤ちゃんは生後4か月頃から絵本に出会うことが可能となってきます。
でも、生後4か月の赤ちゃん、本当に絵本の内容を理解して喜んでいるのでしょうか?実は、その頃の赤ちゃんはほとんどの場合、絵本の内容がわかっていない、と思ってください。
でも、大好きな大人が自分に向かって、何か物を使って話しかけてくれている、かかわりを持ってくれている。そのことがとっても嬉しいのです。
なので、ファーストブックには、大人のかかわりがしやすい絵本をおすすめします。
絵本の文章そのものが語り掛けるような作品もありますし、絵本を通して一緒に遊びやすい作品も存在します。
大人が何度も絵本を持って、1対1で赤ちゃんとかかわりを持って遊び続けると、赤ちゃんは絵本を大人と自分を結び付ける、興味のある存在として認識しはじめます。
そうしたかかわりを繰り返すことによって、赤ちゃんはだんだん絵本そのものを楽しみ、絵本が大好きになっていくのです。
・赤ちゃんは初めて絵本を見るとき、絵本そのものではなく大人とのかかわりを楽しんでいる。
・ファーストブックは、赤ちゃんとのかかわりを持ちやすい絵本を選ぼう。
ファーストブックのおすすめ絵本紹介
これまでレビューした絵本のなかで、特にファーストブックにおすすめの絵本をご紹介します!
文:松谷みよ子
絵:瀬川康男
出版社:童心社
日本で一番人気の絵本です。赤ちゃんがほんとうに笑う、と評判の一冊!
作:安西水丸
出版社:福音館書店
オノマトペが可愛い、汽車が走る絵本です。食育にも良いですよ♪
作:はやしあきこ
出版:福音館書店
シルエットで構成された絵本で、色鮮やかなので赤ちゃんも見やすい作品です。
丈夫なボードブックなので、赤ちゃんが持っても安心♪
赤ちゃんが喜ぶファーストブックを選ぼう!
赤ちゃんのファーストブックの選び方、よくわかりました!
初めての絵本は、これから本と歩んでいく人生のなかで、大切なものとなるでしょう。
是非素敵な一冊を選んであげてください!
絵本大好きな子どもに育つ第一歩!
赤ちゃんの初めての絵本、ファーストブックを大切に選んであげてくださいね♪
今回のポイント
今回のコラムのまとめです!
ファーストブックにおすすめの絵本の特徴
- 赤ちゃんのよく知っている、食べもの、おもちゃ、動物、乗り物などが登場する絵本
- 絵が画面いっぱいに大きく見やすく、顔が正面向きの絵本
- 発達中の目でも見やすい、くっきりと見やすい濃い色使いの絵本
- ことばは少なめでリズミカル、内容は単純な繰り返し表現のある絵本
- 大人が赤ちゃんとのかかわりを持ちやすい絵本
参考文献
・鈴木みゆき『絵本お話大好きもしもし』明治図書出版、1999年
・徳永満理『赤ちゃんにどんな絵本を読もうかな』かもがわ出版、2009年
・徳永満理『絵本で育つ子どものことば』アリス館、2002年