オノマトペを使った絵本がおすすめって聞いたけど、そもそもオノマトペって何?
どうしてオノマトペを使った絵本がおすすめなのかしら…。
今回のコラムでは、こんな疑問にお答えします!
・「オノマトペ」ってどんなものなの?
・どうしてオノマトペを使った絵本が子どもたちに人気なの?
・オノマトペを使った絵本のおすすめ紹介!
オノマトペってどんなもの?
絵本を魅力的にしている重要な要素に、「文章」があります。
絵本作家によって念入りに考え抜かれ、出版社で丁寧に推敲されている絵本の文章は、子どもにとって楽しい体験を与えてくれるものです。
絵本の文章を構成するひとつの要素、「オノマトペ(擬音語)」について、お話していこうと思います。
オノマトペとは、物のイメージや動き、音を文字や言葉で表したものです。
先ほど「オノマトペ(擬音語)」と紹介しましたが、オノマトペの種類は擬音語だけでなく、擬態語、擬声語などに分けられます。
・擬音語:太鼓の音が「ドンドン」と響く。鍵を「ガチャッ」と閉める。など、音を表現したことば
・擬態語:「ふわふわ」した犬。「もにもに」した触りごこち。など、物事の状態を表したことば
・擬声語:「ワンワン」と犬が吠える。赤ちゃんが「オギャー」と泣く。など、人や動物の声を表したことば
全ての絵本に使用されているわけではありませんが、オノマトペは、実に多くの絵本で使われています。
絵本のことば全てがオノマトペで構成されている絵本もあるんですよ!
どうしてオノマトペを使った絵本が人気なの?
どうしてオノマトペは、たくさんの絵本で使われているの?
それはもちろん、子どもたちの心を「ぐっ」と掴むからです!
なぜ、オノマトペは子どもの心を掴むのでしょうか。その秘密についてお話していきます!
オノマトペは、ひとつの音を一文字で表す、という特徴を持っています。これは、日本語の特色を上手に生かしている特徴です。
そのため、日本語を覚え始めた小さな子でもわかりやすく、また、リズムもいいので耳に入りやすいのです。
オノマトペの面白いところは、はっきりとした物や絵が存在しなくても、その場面が簡単にイメージできるところです。
少し考えてみましょうか。
たとえば、「きらきら」というオノマトペから、どんな様子を思い浮かびますか?
何かが光ったり、光が反射している様子が思い浮かぶわ!
そうです!
「きらきら」ということばひとつで、頭の中にイメージが浮かびますね。
その感覚が新鮮で、子どもたちはオノマトペを楽しみ、親しんでいくのです。
オノマトペからどんな様子なのかイメージをすることで、子どもたちの想像力が養われていくのです!
また、オノマトペが使われている絵本は、大人数でも楽しみやすいという特徴があります。
どうしてなの?
一緒に絵本を読んでいる友だちの間で同じイメージを共有することができるからです。
大人数の読み聞かせは、ひとりでは味わえない感覚を得られるのでおすすめですよ。
おはなし会などに参加してみるのがよいでしょう。
・オノマトペは「ひとつの音を一文字で表す」という日本語の特徴を生かしている。
・オノマトペをきいて、頭の中でイメージができるのが楽しい。
・オノマトペを使った絵本は、大人数でも楽しみやすい。
子ども時代、ずっと楽しめるオノマトペ
オノマトペが子どもに人気があることはわかったけど…、いつ頃からオノマトペを使った絵本を楽しめるの?
赤ちゃんが最初に出会う絵本、ファーストブックでも、オノマトペを沢山使った絵本が喜ばれます。
オノマトペを使った言葉はリズミカルなので、ことばの意味をこれから覚え始める赤ちゃんでも、心地よいリズムを楽しむことができます。
小さな赤ちゃんは、絵本そのものを楽しむだけでなく、読んでくれている大人に注目している場合があります。
その場合、オノマトペに合わせてジェスチャーを入れてみると絵本の読み聞かせの時間が更に楽しくなるでしょう。
1歳頃になると、大人のことばや音を真似しようとすることが増え、さらにことばに関心を持つようになってきます。
そのときも、オノマトペは真似しやすく、赤ちゃんが沢山聞きたくなることばです。
更に大きくなり、ことばを沢山覚えた子どもは、ことばの持つ面白さに気づき始める時期に入ります。
そんなとき、オノマトペは面白いことばの代表として子どもたちに親しまれていきます。
・オノマトペを使った絵本はファーストブック(はじめての絵本)からおすすめ!
・ことばの意味を理解しはじめてきた子どもでもオノマトペは楽しい。
読み聞かせでのオノマトペ、どんな風に読めばいい?
絵本の読み聞かせで、オノマトペを読むときは、どのように読めばいいのかしら?
一語一語を丁寧に読む、というよりは、テンポよく読むことを意識しましょう。
発音しやすい言葉があれば、子どもも真似をしてみたくなります。
一緒に言ってみることで、ことばがより子どもたちの心に響きます。
絵本の中では、思っているよりもたくさんオノマトペが使われています。大人がリズミカルに、楽しく読んでみることで、子どもたちはよりオノマトペを楽しいものだと知っていきます。
日常生活でもオノマトペを楽しもう!
子どもたちは、特に身近に感じるオノマトペが特に耳に入りやすいようです。日常生活の中でも、オノマトペを意識して遊んでみましょう!
今、自分がしている行動や、子どもの行動、見えているものの様子をオノマトペにして口に出すだけでも、充分に楽しい遊びになります。
そんなの、難しいんじゃない?
いいえ!世界的に見ても、日本語はオノマトペの多い言語だと言われています。
普通に生活しているだけでも、思ったよりもたくさんのオノマトペを使っていますよ。
たとえば、「雨が降っているね。」というなにげない会話。
これを「雨がザーザー降っているね。雨のしずくがキラキラと光っているね。」といったように、少し工夫するだけで会話に音色や色彩が生まれてきます。
オノマトペを使ってみることは、決して難しいことではありません。普段から意識してみると、日常にあふれるオノマトペの多さに驚くことでしょう。
大人が沢山オノマトペを使っていれば、子どももオノマトペを話すことを楽しんでくれますよ!
・普段の生活のなかで、行動や見えていることにオノマトペをつけて遊んでみよう!
オノマトペを使った絵本のおすすめを紹介!
オノマトペを使った絵本のおすすめは、どんな作品があるかしら?
オノマトペのことばに上手に対応した、リズムのある絵を描いている絵本がおすすめです!
オノマトペを上手に利用した絵本は、その絵からもリズムが感じられます。
ことばからも絵からもリズムを感じることのできる、おすすめ絵本をご紹介します!
「くつくつあるけ」
作:林 明子
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:0歳から
・初めての靴(ファーストシューズ)を履いて出かける時期に
・自分の足で歩くことが大好きな子に
「もけら もけら」
文:山下洋輔
絵:元永定正
構成:中辻悦子
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:
読んであげるなら2歳から
自分で読むなら小学校低学年から
・感覚的に楽しむことが得意、好きな子に
・オノマトペが出てくる絵本を好む子に
「きょだいな きょだいな」
作:長谷川摂子
絵:降矢なな
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:
読んであげるなら3歳から
自分で読むなら小学校初級向き
・大きなもの、数が多いものなど、ダイナミックな表現を喜ぶ子に
・絵本の絵をじっくりと見ることを楽しむ子に
・オノマトペ(擬音語等)を好み、聞いたり口にしたりすることを楽しんでいる子に
オノマトペをもっと楽しもう!
オノマトペって、とっても奥が深いのね!
びっくりしちゃった。
オノマトペは、幅広い表現力で子どもたちの想像する力をぐんぐんと伸ばしてくれます。
楽しみ方は、人それぞれ無限大ですよ!
今回ご紹介した絵本以外にも、オノマトペを使った素敵な絵本が沢山あります。
是非オノマトペの世界をもっともっと楽しんでくださいね!
今回のポイント
今回のコラムのまとめです!
・オノマトペは、擬音語、擬態語、擬声語の総称。
・オノマトペは子どもたちに大人気!子どもの想像力を養うことも。
・オノマトペはテンポよく読むことを楽しもう。日常生活でも意識して使ってみましょう!
参考文献
・鈴木みゆき『絵本お話大好きもしもし』明治図書出版、1999年
・徳永満理『絵本で育つ子どものことば』アリス館、2002年