はじめてのおつかい(絵本) 可愛い絵には秘密がいっぱい!不朽の名作

「はじめてのおつかい」の情報

「はじめてのおつかい」
作:筒井頼子
絵:林 明子
出版社:福音館書店
発行日:1977年4月
おすすめ年齢:
読んであげるなら3才から
自分で読むなら小学校初級向き

主人公が5歳の設定です。同い年の子に読んであげると親近感がわきますね。
サイズ:H20×W27㎝
ページ数:32ページ

「はじめてのおつかい」はこんな子におすすめ

おつかいに興味が出てきた子や、興味を持ってもらいたい子に

絵本の絵をじっくり見ることが好きな子

スポンサーリンク

「はじめてのおつかい」の簡単なあらすじ

ある日、みいちゃんはままにおつかいを頼まれました。百円玉を握りしめ、張り切って出かけるみいちゃん!

はじめてのおつかいは、ハラハラドキドキがいっぱい!

みいちゃんは、無事におつかいをやり遂げることができるでしょうか。

「はじめてのおつかい」のレビュー

“はじめて”は、ドキドキがいっぱい!

あなたは、自分のはじめてのおつかいって覚えているでしょうか。私は覚えていますよ。

私は、当時住んでいたアパートの近くにあるスーパーに牛乳を買いに行きました。(よく考えると年齢も購入する物も、これからご紹介する絵本に似ています。)

確か、牛乳以外にも何か好きな物をひとつ買ってきてもいい、という約束でした。当時お気に入りだった大きな石のついたネックレスの入った食玩を選んだと記憶しています。

正直なところ、とてもあっけなく任務は完了して、何も問題なく帰ってきた、というのが私のはじめてのおつかいです。毎日のように行くスーパーでしたからね。牛乳は重かったですけれど。

でも、こんな風に今思い出すことができるということは、「はじめて」の経験は何かしら印象深いことだったのでしょうね。

これからご紹介する絵本、「はじめてのおつかい」は、私のおつかいよりもずっとドラマチック。

主人公の目線や心情を丁寧に表現しているからこそ、ドキドキワクワクの物語となっています。

表紙に描かれているのは、牛乳を抱えたはじけるような笑顔の女の子!可愛く、とても印象的な表紙です。

お母さんは忙しい!大人も子どもも共感します。

主人公のみいちゃんは5歳。みいちゃんのおうちには小さな赤ちゃんがいます。下の子が生まれたばかりのおねえちゃんとして、みいちゃんは張り切っておつかいに出かけます。

小さな赤ちゃんのいるお母さんのそれはそれは忙しそうなこと!その忙しさは文章には書いてないけれど、絵から読み取ることができます。小さい子どもが下にいる子は共感できるはずです。

おつかいに送り出すお母さんの心配そうな表情。「どうして心配そうなのかな?」子どもにきいてみると、色んな返事が返ってくることでしょう。

「はじめてのおつかい」は、妹や弟がいる子が共感する絵本!

子ども目線で描かれる、「はじめてのおつかい」は大冒険!

みいちゃんのおつかいは、ハラハラドキドキがいっぱいです。走ってくる自転車のスピード感が、子どもの目線からはっきりと表現されています。

みいちゃんの気持ちやことばが細かに書かれており、共感しやすい絵本です。

ことばでの描写が非常にリアルなことに注目!たとえばうんと大きな声を出そうと思ったのに、小さな声しか出ないという場面は共感を集めます。

スポンサーリンク

まるで信号機?色使い、驚きの工夫でいっぱいです。

色使いの工夫も素晴らしい作品です。みいちゃんの心の中を、まるで信号機のような色使いで見事に表現しているのです!

みいちゃんが不安な場面は、全体に赤が多用されており、ドキドキした気持ちが表現されています。

信号機の赤は、「止まれ」です。

みいちゃんははじめてのおつかいに、緊張しているのです。いつも優しいはずの大人が、不安な気持ちで見るとこんなにも大きく見えるのですね。

ドキドキの赤の次は黄色が多用されているページです。

信号機の黄も、「止まれ」です。

みいちゃんはなかなか前に進むことができません。萎縮するみいちゃんの表情とともに、ハラハラさせられます。

みいちゃんが勇気を振り絞るシーンは、青が多用されています

信号機の青は、「進んでも良い」ですね。(進め!じゃないですよ。その発想は事故のもとなので注意です!)

みいちゃんの前に進もうとする気持ちが青色で表現されています。

まるで信号機の色のように変化する、みいちゃんの心の中。それが、絵本の色使いで表現されています。この工夫、是非じっくりと見ていただきたいです。

「はじめてのおつかい」の色使いの細やかな工夫に驚き!必見です!!

何かを成し遂げる達成感!周りの助けも借りて頑張ります。

子どもがひとりで何かに立ち向かい成し遂げる、というテーマがとても印象的なこの作品。

でも、みいちゃんはお母さんとの約束を、ひとつだけ守れていませんね。そんなときでも、周りの人がちゃんと助けてくれるのです。

「はじめてのおつかい」は子どもに自信を与えてくれる素敵な絵本です。

無事におうちにかえってきたみいちゃん、おつかいの後はどうなったのかな?実は裏表紙に少しだけ描かれています。

子どもと一緒にその先を想像するのも楽しい遊びです。

・「はじめてのおつかい」は、子どもがひとりで何かを成し遂げる、というテーマの絵本。

自信と勇気を与えてくれる絵本です!

まだまだあるよ!「はじめてのおつかい」に隠された秘密。

子どものいきいきとした表情をとっても素敵に描く作者さんの作品で、個人的に大好きな絵です!

文章はあくまでみいちゃんを追っているのですが、文章には無い描き込みが非常に多く、多彩です。

大きい年齢の子でも長時間じっくりと楽しんで読むことのできる絵本です。

保育園や幼稚園での読み聞かせの場合は、大人数でも見やすい大型絵本の利用をおすすめします。

実は、絵本の中には本編で説明されていないお父さんの存在も、こっそり隠されています…!

多分ですが、子どもには見つけられません。見えていても、知識が無いと理解が出来ないというのが正しいですね。大人が、探してみてくださいね。

他にも楽しいものがこの絵本にはたくさん。子どもがこんな物見つけた!と教えてくれたら、ぜひ一緒に楽しんでみてください

「はじめてのおつかい」は、秘密の描き込みが満載!

「はじめてのおつかい」の絵は、秘密がいっぱいのとっても可愛らしい絵でしたね。

この可愛い絵が描かれたマグカップが、絵本ナビ限定で発売されているようです。

こちらも要チェックですよ!

「はじめてのおつかい」の読み聞かせのポイント

・読み終わった後に、この場面でこの人はどういう気持ちだったかな?と登場人物の気持ちを一緒に考えてみましょう

普段のお買い物やお出かけの中で、絵本の場面を思い出してお話してみましょう。

おつかいに興味があるようだったら、念入りな準備をして送り出してあげましょう。おつかい前や後にこの絵本を読み聞かせてあげるのも忘れずに。

作者の他の作品

いもうとのにゅういん

作:筒井頼子
絵:林明子
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:
読んであげるなら3歳から
自分で読むなら小学校初級向き

こんな子におすすめ

仲良しの姉妹がいる子

 

大切なぬいぐるみやお人形を持っている子

 

お父さんの読み聞かせにもおすすめです

とん ことり

作:筒井頼子
絵:林明子
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:
読んであげるなら4歳から
自分で読むなら小学校初級向き

こんな子におすすめ

・手紙を書いたり受け取ったり、郵便屋さんごっこをするのが好きな子

 

春の暖かい季節の読み聞かせ

 

引っ越しを経験したことのある子

林明子さんの作品まとめ記事