「ハリーのセーター」の情報
「ハリーのセーター」
文:ジーン・ジオン
絵:マーガレット・ブロイ・グレアム
訳:わたなべ しげお
出版社:福音館書店
発行日:1983年5月20日
おすすめ年齢:4歳から
サイズ:H30×W22㎝
ページ数:32ページ
シリーズ:どろんこハリーシリーズ
「ハリーのセーター」はこんな子におすすめ
・おしゃれに興味のある子に
・生き物の出てくる絵本を喜ぶ子に
・冬の時期の読み聞かせに
「ハリーのセーター」の簡単なあらすじ
犬のハリーに、おばあちゃんからプレゼントのセーターが届きました。そのバラの模様が、ハリーは気に入らないようです。
デパートの中で、ハリーはセーターを捨ててしまおうと思いました。
ペットショップで捨てても、食料品売り場で捨てても、花屋さんで捨てても、必ず誰かが届けてくれます。
気に入らないセーター、ハリーはどうするのでしょうか。
「ハリーのセーター」のレビュー
気に入らない服をもらった、あなたならどうする?
お気に入りの服を着るって、楽しいですよね!明るい色の服を着て歩くだけで気分が良くなってくるのは、私だけではないと思います。
でも、気に入らない服だったら…?
私も昔からよく服をくれる人がいるのですが、正直気に入らないデザインのことも…(よくある)。段ボールに沢山詰めて寄付してしまったのは、プレゼントしてくれた人には内緒です♪
さて、今回ご紹介するのは、「ハリーのセーター」という絵本です。大人気のどろんこハリーシリーズの絵本!
主人公のハリーは犬ですが、その考え方、行動は人間の子どもそのもの!
とっても可愛いハリー、今回はどんなことをするのでしょうか?
正直すぎる感想を持つハリー、まるで子どものよう
ハリーはまるで子どものよう!自分の気持ちにとっても正直な犬なのです。
タイトルページで、ハリーは自分宛のプレゼントの箱を見つけます。わくわくしながらプレゼントを開けるハリー。
中から出てきたセーターのバラの模様をみたとたん、「すきじゃないな」
セーターを着て鏡を見てみると、「こんな へんてこな セーター みたことない」
…って、とっても正直!こだわりがあるんですね。
“こんなことを思っては相手に失礼”なんて考えません!
でも子どもって、そうじゃありませんか?少なくとも自分が子どもの頃は正直な発言をしていました。
ロングヘア―からショートにイメージチェンジした母親を見て一言。「あんまり可愛くない」
なんて、今の自分だったら口が裂けても言えません!!(実話)
ハリーの正直さは、子どもそっくりですね!
気分が顔にはっきりと!!ハリーの表情に注目!
ハリーはとても正直な犬です。正直すぎて、気持ちがはっきりと顔に出ます。
気に入らないセーターを着て町を歩いているときの不満そうな顔。
セーターをお店に捨ててしまおうとしているときのいたずらっ子な微笑み!
そして優しい人が届けてくれたときの、むっとした表情…。
ハリーの気持ちは、目まぐるしく変化します。
ページをめくるたびに、今度はどんな顔をしているのかな?
ハリーの表情に注目すると、読み進めるのがとっても楽しくなります。
セーターの行方はまさかの展開に!
ハリーを散々困らせたセーターですが、なんと形残らず無くなってしまいます!どうしてそうなってしまったかは、絵本を見てのお楽しみですよ。
セーターが無くなったことに大喜びのハリー!
でも、プレゼントしてくれたおばあちゃんが来ることがわかります。すると、ハリーのしっぽは「ちょろんと」たれてしまうのです。
この「ちょろんと」という表現!
“セーターが無くなったのは嬉しいけど、おばあちゃんに悪いなぁ”というハリーの気持ちがはっきりと表れていて、私のお気に入りのポイントです♪
そしてみんながセーターを探すシーンのハリーの表情も必見!
“ぼくは何も知りませんよ”まるでそう言っているみたいなのです。
とぼける知恵があるところまで、子どもそっくりですね。(笑)
街の様子など、描き込みを見るのが楽しい!
どろんこハリーシリーズは、背景を見るのもとっても楽しい絵本です。「ハリーのセーター」でも、背景に注目してみましょう。
デパートの中のお店で、商品は棚にひとつひとつ、丁寧に並べられています。
街の中を歩くと、生活に必要なお店が沢山!犬や猫も沢山いて、とっても活気があります。
公園に行くと、小さなリスがいる!木の上を見ると、鳥だけではなく、沢山の小さな虫が生活しているのです。
ひとつひとつの描き込みがしっかりとされているので、見ていて飽きない絵本なのですよ。
ハッピーエンドがとっても嬉しい!
ハリーの不満気な表情も多かったこの絵本ですが、最後はハッピーエンドで終わります!
にっこり笑ったハリーを見て、読んでいる子どももにっこりですよ♪
セーターを着るような、冬の時期の読み聞かせにぴったりの絵本です。
自分の気持ちに正直なハリーのドタバタ劇、是非楽しんでくださいね!
「ハリーのセーター」の読み聞かせのポイント
・ハリーの気持ちが描かれているシーンでは、ハリーになりきって感情をこめて読んでみましょう。
・ゆっくりと時間をとって、描き込みを眺めてみましょう。「こんなもの見つけた!」と教えてくれたら受け止めてあげましょう。
同じシリーズの絵本
「どろんこハリーシリーズ」まとめ記事
「どろんこハリー」
文:ジーン・ジオン
絵:マーガレット・ブロイ・グレアム
訳:わたなべ しげお
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:4歳から6歳
・外で元気よく遊んでいつもどろんこになって帰ってくる子に
・お風呂に入って体を清潔にすることの気持ちよさをもっと感じてもらいたい子に
・犬が好きで、犬の登場する話を喜ぶ子に
「うみべのハリー」
文:ジーン・ジオン
絵:マーガレット・ブロイ・グレアム
訳:わたなべ しげお
出版社:福音館書店
おすすめ年齢:4歳から
・海で遊ぶことが好きな子に
・動物の出てくる絵本が好きな子に
・ハラハラドキドキの展開の物語を特に好む子に