「きんぎょがにげた」の情報
「きんぎょがにげた」
作:五味太郎
出版社:福音館書店
発行日:1982年8月
おすすめ年齢:
2歳から4歳向きと記載がありますが、実は1歳後半から楽しめる絵本です。
サイズ:H22×W21㎝
ページ数:24ページ
「きんぎょがにげた」はこんな子におすすめ
・絵本のことばの意味がわかるようになってきた子の、初めてのもの探し絵本に
・絵本の絵をじっくり見ることを楽しむのが好きな子に
「きんぎょがにげた」の簡単なあらすじ
おうちの水槽から、ぴょんっときんぎょが逃げ出したよ。
きんぎょは自分とよく似た色、形をした物の中に隠れてしまいました。
逃げたきんぎょはどこにいるか見つけられるかな?
絵本のレビュー
初めての「もの探し絵本」に!
何かを探す絵本って、楽しいですよね!
私も子どもの頃、大好きなキャラクターを探す絵本が家にあり、楽しく読んでいました。探すキャラクターも多く、難易度もなかなか高く、日々苦戦していたのをよく覚えています。
描かれている絵から何かを探す、という遊びは、大きくなっても楽しむことのできるコンテンツです。
さて、今回ご紹介する絵本は、「きんぎょがにげた」です。
小さな子どものための、はじめてのものさがし絵本にピッタリの一冊です。
昔からずっと読みつがれているものさがし絵本で、五味太郎さんの独特で鮮やかな色使いが目を引く絵本となっています。
きんぎょは知っているものの中に隠れる。だから面白い!
きんぎょが隠れるのは、カーテンや植木鉢の花、お菓子など。
子どもたちが日常的によく見る物の中にきんぎょが隠れます。
いつもよく見ているものなのに、探してみると、きんぎょが隠れている!なので、子どもたちは興味深々できんぎょを探します。
鏡の前に逃げたきんぎょが、鏡に写っているのも面白いですね。
「きんぎょがにげた」は絶妙な難易度で子どもたちが熱中!
「きんぎょがにげた」は、小さな子どもでも少し探せばわかる、飽きさせない絶妙な難易度です。
ページを追うごとに少しずつ、少しずつ難易度があがっていきます。この難易度の変化も、絵本の魅力のひとつとなっています。
子どもが「みつけた!」ときんぎょに指さししたりして、自分で確認することができるのが楽しく、自信につながります。
読み聞かせをしている大人は、子どもの言葉や指さしをしっかりと受け止めてあげましょう。
知っているからつまらない?何度読んでも楽しい!
もの探し絵本って、一度答えを知ってしまうと、もう面白くないんじゃないの?そう思う人もいるかもしれません。
でも、子どもたちは答えを知った後でも何度でも読みたがります。何度でも指差ししながら遊び、楽しむことができるのです!
実際私が働いていた保育園でも、「きんぎょがにげた」は毎日のように読み聞かせのリクエストのある絵本でした。
「きんぎょがにげた」は小さな子どもでも楽しめる絵本です。
「きんぎょがにげた」に書かれているおすすめ年齢は2歳から4歳向きとなっています。
でも、実際は1歳後半から十分に楽しめる絵本です。ただ、1歳さんはまだまだ絵を見る力の育ちが十分でないので、探すのには時間がかかってしまいます。
ページをめくるごとに難しくなるきんぎょの隠れ場所まではなかなか見つけることが出来ません。
でも、何度も読んでもらっているうちに「あった!」ときんぎょを見つけられるようになるでしょう。
見つけられなくても、焦らないで!
絵本の時間は、楽しむだけで充分です。もし、きんぎょを見つけられなかったといって焦らなくても大丈夫です。
「違うよ」と言ってきんぎょの場所をと教え込もうとしてしまうと、絵本の時間がつまらないものになってしまうので、注意しましょう。
文の文字が大きく書かれているので、文字に興味を持ち始める年齢の子にも見やすく有効です。長い期間楽しみ続けることのできる絵本です!
幼稚園や保育園での読み聞かせの場合は、大勢いてもきんぎょを探しやすい、大型絵本の利用が特におすすめです!
あちこち隠れつづけたきんぎょですが、最後のページにはきんぎょの仲間が沢山!
これまでずっと一匹のきんぎょを追い続けた読者には、どのきんぎょがにげたきんぎょなのかわかるようになっているのも面白いポイントです。
参考文献
・鈴木みゆき『絵本お話大好きもしもし』明治図書出版、1999年
・徳永満理『赤ちゃんにどんな絵本を読もうかな』かもがわ出版、2009年
絵本ナビでは、「きんぎょがにげた」の可愛いグッズが沢山販売されています!
おもちゃに、ステーショナリー、食器に…服!
ランチコップが特に人気みたいですよ。
「きんぎょがにげた」の読み聞かせのポイント
・じっくりときんぎょを探すことができるように、時間に余裕があるときに読んであげましょう
・少し大きな子なら、絵本を読んだ後に宝物探しゲームで楽しみましょう。「宝物(きんぎょを紙に描いてもいいですよ)」を部屋のどこかに隠し、見つける遊びはとってもワクワクして夢中になって楽しみます。