「おててがでたよ」の情報
「おててがでたよ」
作:林 明子
出版:福音館書店
発行日:1986年6月20日
おすすめ年齢:0歳から
サイズ:H18×W18㎝
ページ数:20ページ
シリーズ:くつくつあるけのほん
「おててがでたよ」はこんな子におすすめ
・自分や人の体をじっと見つめたり、興味を持っている子に
・服を着せるときに自分の力で腕を出そうとしたり、ひとりで着ようとする子に
「おててがでたよ」の簡単なあらすじ
赤ちゃんが、ひとりで服を着ようとしています。「おてては どこかな」
おててが「ぱっ」と出ました!ひとりで頑張って服を着ることができるかな?
「おててがでたよ」のレビュー
「ひとりで服を着られるよ!」子どもにとっては大きな変化です
生まれたばかりの赤ちゃんは、ひとりで生きていくことはできません。何をするのも大人の手伝いが必要!赤ちゃんのお世話をするのに、大人はてんてこまいです。
でも、気づいたら、あっという間に自分で出来ることが増えていくんですよね。
それは大人から見れば小さな変化の積み重ねですが、子ども自身からすると、ひとつひとつがとても大きく、劇的な変化なのです。
今回ご紹介する絵本、「おててがでたよ」は、赤ちゃんがひとりで服を着る、ということのみにフォーカスした絵本です。
「おててがでたよ」は、娘も大好きな絵本♪単純なテーマですがとても味わい深い作品です!
「おてては どこかな」「ここ!」と指さしするのが楽しい
「おててがでたよ」は緑色の背景に、鮮やかなオレンジ色の服と赤ちゃんがくっきりと見える表紙が目印です!
この反対色の組み合わせは、赤ちゃんの目に見やすい色使い。絵本の絵をじっと見つめてくれるはずです。
赤ちゃんのむちむちとした腕や足が丁寧に描かれています!林明子さんの絵は、「とっても可愛い!」と大人からも大人気なんですよ。
服をすっぽりとかぶっている赤ちゃん。
「おてては どこかな」と問いかけがあると、少し大きな子なら「ここ!」と指をさしてくれるでしょう。
娘は「ぱっ」とおててが出てくると、一緒に「ぱっ」と言って絵本を楽しんでいます。
次は、「あたまは どこかな」その次は…と、繰り返しがとっても楽しい作品です。
次に探す部分は服の中で盛り上がっていて、予想がしやすいのもポイント。質問に正解することで、自信がつき、絵本の時間がどんどん楽しくなっていくのです!
・繰り返しのクイズ形式が面白いポイント♪
自分の体への興味がもっと広がる絵本です!
絵本に出てくるのは、手、頭、顔、目、口など…。自分やまわりの人の体に興味深々な赤ちゃん!興味のあることをテーマに扱っている絵本は、赤ちゃんが大喜びしますよ。
この絵本を読んだあとは、是非子どもに「〇〇はどこかな?」と質問してあげてみてください。
自分で答えることができなくても、「ここよ!」と触ってあげるだけで、それはとっても楽しいふれあい遊び!何度だって楽しめますよ。
そうやって楽しむうちに、自分の体への興味がどんどん広がってゆくのです!
服を着るのって、こんなに大変!大人も理解してあげて
「おててがでたよ」では、子どもが自力で服を着る課程をまるまる一冊使って丁寧に描いています。
小さな子どもにとっては、自分で服を着るだけでもこんなに工程があって大変!
自分で服を着たい!練習中の子はとっても共感するのです。
特に、足を出したいのに服に引っかかってしまってなかなか出てこない場面。絵本のなかの子どもと一緒になって「がんばれー!」という気持ちになります。
やっと出てくると、ほっとした表情。絵本の物語に共感しているのです。
あなたは、「ただ服を着るだけでしょ」と思っていませんか?その、ただ着るだけが、子どもにとっては大仕事なのです!
子どもがこんなに頑張って服を着ていることを受け止めてあげましょう。
テーマは単純。でもその中に沢山の成長が詰め込まれています!
この絵本のテーマは、「子どもがひとりで服を着る」それだけです。
でも、その中にも様々な要素が詰め込まれています。
- 質問や繰り返しの楽しさ
- 人体への興味
- 自分で成し遂げることの大変さや達成感
などなど!楽しみ方は他にもたくさんありそうです。
「おててがでたよ」は赤ちゃんの気持ちに寄り添った、とってもおすすめな絵本ですよ♪
「おててがでたよ」の読み聞かせのポイント
・文章が話しことばで構成されています。棒読みで読まずに、自然に子どもと会話するような気分で読んであげましょう。
・「○○は どこかな」という場面で、すぐにページをめくってしまわずに、じっくりと探す時間をとってあげましょう。もし指さしをしたら受け止めてあげましょう。
・読み聞かせの後は、自分の体でも「○○は どこかな?」クイズ!正解の場所を「ここよ」と触ってあげると楽しいふれあい遊びになります。
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