「とんとん とめてくださいな」の情報
「とんとん とめてくださいな」
文:こいでたん
絵:こいでやすこ
出版社:福音館書店
発行日:1992年9月25日
おすすめ年齢:2歳から
サイズ:H22×W20㎝
ページ数:32ページ
「とんとん とめてくださいな」はこんな子におすすめ
・簡単な物語のある絵本を楽しめるようになってきた子に
・動物の登場する絵本を好む子に
・繰り返しの表現が出てくる物語を楽しむ子に
・絵本の絵をじっくりと見ることを楽しむ子に
「とんとん とめてくださいな」の簡単なあらすじ
3匹のねずみが、道に迷ってしまいました。途方に暮れる3匹。すると、家を一軒見つけました。
「とんとん、とめてくださいな」
返事はありません。ドアを開けてみると、誰もいません。悪いかな、とも思ったけど、泊めてもらうことにしたねずみたち。
さてこの家は、誰の家なのでしょうか。
「とんとん とめてくださいな」のレビュー
赤ちゃん絵本からは卒業!どんな絵本が良いの?
赤ちゃん絵本を卒業する、2歳頃の子どもたちが楽しむ絵本は、どんな絵本でしょうか?
単純な赤ちゃん絵本よりも、もっと複雑なお話が楽しめるようになった子には、簡単な物語絵本をおすすめします!
特に、複雑ではなくわかりやすい展開の物語絵本がおすすめですね。こんな絵本はどうでしょうか?
優しい表情のねずみの表紙が目印!こいでさんご夫妻が作った、「とんとん とめてくださいな」という絵本です。
柔らかなタッチと色彩に温かな気持ちになれる
「とんとん とめてくださいな」の世界は、色鉛筆のような柔らかな色とタッチで描かれています。
濃い色はあまり使用せず、子どもたちにとって優しい刺激。登場する動物たちの目や表情も優しく、安心して見ることのできる絵です。
優しく丁寧な文章にぴったりの暖かい絵で、絵本全体の世界観を表現されています。
背景の描き込みも豊富で、絵本の絵をじっくりと見ることのできるようになりはじめた子どもでも、楽しむことができる絵本です!
描き込みへの注目が出来るようになった子は、是非ねずみたちの性格の違いを見てみてくださいね…♪
丁寧に描写された文章で、イメージが広がる
「とんとん とめてくださいな」の文章をよく見てみましょう。
陽が「とっぷりと」暮れたり、
「かわるがわる」ドアを叩いたり、
「そうっと」ドアを開けたり、
などなど、場面の描写がことばで丁寧につづられています。この丁寧な描写により、絵本の世界観をより具体的に感じ取ることができます。
そして、物語のイメージがより一層広がっていくのです。
「とんとん、とめてくださいな」フレーズの繰り返しが楽しい!
絵本の中で、「とんとん、とめてくださいな」というフレーズが何回か登場します。繰り返し表現といえば、赤ちゃん向けの絵本で特に人気の表現ですね。
この絵本は、文章の量がしっかりとしていて物語性もあり、赤ちゃん向けの絵本というには少し難しすぎます。
でも、物語が単純でわかりやすく、赤ちゃん絵本から卒業しはじめた子どもが楽しめる絵本です。
今まで赤ちゃん絵本を楽しんできた子どもたちです。繰り返しの表現が、いきなりつまらなくなってしまうことなんてありません。むしろ、まだまだ大好物なのです!
赤ちゃんの繰り返し表現は、次の展開を予想して、予想通りの展開になることが好まれます。
この絵本の場合はどうでしょうか。「とんとん、とめてくださいな」と誰かが来ることで、子どもたちは、
次は誰が来るんだろう…?
と、想像します。その想像が、正解だったら、
やった!当たった!
と、もちろん嬉しいですし、不正解でも、
なあんだ、そうだったのか!
と楽しむことができます。
「じゃあ、楽しめるのは最初だけなのね」というわけではありません。
赤ちゃんと同じく、
それ、知ってるよ!ほら、当たりだ!
という楽しみ方も、もちろんできます。
「とんとん とめてくださいな」は、赤ちゃんの楽しみ方に加えて、もっと発展的な楽しみ方が出来るようになってきた子どもが喜ぶ絵本なのです。
ちょっと怖い!けれど心温まるお話。
様々な動物たちが、「とんとん、とめてくださいな」と入ってくるこの家は、一体誰の家なのでしょうか?
実は、ねずみたちが家の中を覗いてみる場面、誰の家なのかのヒントが描かれています。
家の主が帰ってくる場面は、ちょっとだけ怖くて、読んでいる子どもたちもハラハラドキドキ!
でもすぐに、「なあんだ」と安心できて、心温まる絵本です。みんなの安心した寝顔に、とっても心癒される作品ですよ♪
大きくなっても!長い期間楽しめる絵本です。
簡単だけど王道なこの物語は、2歳だけといわずにもっと長く楽しめる絵本です。
自分で文字を読めるようになった子も、楽しむことができますよ!
絵の中をよく見てみると、
「きりにちゅうい!」
「きこりニュース」
など、文字が書かれているところがあります。
今まで読めなかったものが読める!こんなことが書いてあったなんて!子どもにとって、この上ない喜びです。
よく見ると、文章に少しだけ漢字も使われています。使われている漢字は、「一、二、三」の数字です。
絵本を読んでもらったことのある子なら、漢字が読めなくても物語の流れから、何が書いてあるかわかりますね。
また、数字は絵を数えればわかるので、忘れてしまっていてもわかる子もいます。そして、横線の本数が数を表していることに気づく子もいるでしょう。
「とんとん とめてくださいな」は、自分で文章が読めるようになった子に、一番簡単な漢字に親しんでもらうチャンスをくれる絵本なのです。
優しい絵に癒される!おすすめの物語絵本。安心感のある絵本を探しているあなたに、おすすめの絵本です♪
「とんとん とめてくださいな」の読み聞かせのポイント
・優しい口調で穏やかに、丁寧に読み聞かせてあげましょう。
・絵本の描き込みをじっくりと見る時間をとりながら読みましょう。時計の時間が少しずつ進んでいたり、みんなの荷物がだんだん増えて薪が移動していたりと、楽しい仕掛けが沢山ありますよ!
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・動物が出てくる絵本を楽しむ子に
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